様々な理由で転職を繰り返してきた転職回数が多い人の中には、転職回数の多さが選考でマイナスになるのではないかと心配になっている人もいるのではないでしょうか。

ここでは、転職回数の多い人の履歴書・職務経歴書などの書き方や、面接での志望動機・自己PRの仕方など、例文を交えて解説しています。
転職活動で注意すべきポイントや、転職回数が不利にならない職種も合わせて紹介しているので、参考にしてください。仕事に関係ない軸を面接で回答するのはNG

転職回数が多いと思われるのは何回?年代別の平均転職回数

20代は平均1回未満、30代は平均1.9回

20代のうちはほとんど転職自体を経験している人がいない状況です。ですが、30代になると転職率は一気に上がり、4人に1人は1回、2回以上の転職を経験している人は約3割という結果も出ています。

企業が気にする転職回数は20代は2回、30代は4~5回から

20代は2回、30代は4~5回になると、転職回数が多いという印象を持たれます。また、企業が転職回数の多い人を採用したくない理由としては、以下のものが挙げられます。

定着性が疑われる
ストレス耐性に心配がある
キャリアの一貫性が気がかり

中には、正当な理由があれば転職回数は気にしないという企業もありますが、さすがに10回以上となるとその人の人間性を警戒するという意見もあります。

転職回数の数え方

一般的な転職回数の数え方は、正社員として在籍していた企業数から1引いた数になります。
そのため、アルバイトや派遣社員として勤めていた企業数は対象外となることが多いです。

転職回数が多い人の履歴書・職務経歴書の書き方【例文つき】

転職回数の多い人は履歴書・職務経歴書の書き方に工夫が必要

転職回数が多いことは、必ずしもマイナスとは限りませんが、実際に転職回数が多いほど転職成功率が下がったデータもあります。選考の段階の中では、書類選考・他の応募者との比較が入ったときに転職回数の多さが不利になります。

転職回数の多さをプラスに印象づけ、採用担当者を安心させることが書類選考通過のポイントです。転職回数が多い人が書類選考を通過するための、履歴書と職務経歴書の書き方を詳しく見てみましょう。

履歴書は転職回数の多さをポジティブな理由でカバー

書類選考で落とされないためには、まずは履歴書の段階で、「志望動機」と「自己PR」の欄を上手に活用し、転職回数が多い理由がポジティブなものであることをアピールすることが大切です。

転職回数が多い理由で、転職先にもメリットがある理由としては

スキルアップ
幅広いスキルや経験を習得するため
幅広い視野を養うため
関心の対象が幅広い

といったものが挙げられます。また、しっかりした理由で転職を重ねてきた人の強みには、

広い視野で物事を見られる
環境適応能力が高い
対応できる仕事の幅が広い

といったものがあります。これらを参考に、転職回数が少ない人にはない魅力をアピールしましょう。

くれぐれも、転職回数を実際より少なく書いてごまかすようなことはしないようにしましょう。後々その嘘がバレたときには解雇される可能性もあります。

履歴書の志望動機・自己PR例文

【職務経験概略】

大学卒業後、正社員として店舗販売職、法人営業職、個人営業職を経験し、派遣社員としてコールセンター業務を経験しました。私は、人と接することが大好きで常に人と関わる業務に携わってきました。それぞれの企業において独自の営業手法、顧客層を経験したことは、私にとって大変貴重な経験であり、私の大きな強みになっています。

【営業職としての強み】

店舗販売、法人営業、個人営業、コールセンター業務といった幅広い営業を経験しています。どの業態においても私自身を信頼していただかなければ商談は成立しません。お客様のニーズを速やかに把握し、満足していただける商品をご紹介し適確な商品説明、納期厳守を徹底してきました。

・営業対象は法人・個人を問いません。
・個人営業において、ご紹介による成約件数社内1位を経験しています。
・商品知識を速やかに把握し、プロとしての信頼感を与える対応ができます。
・与えられた売上目標を達成し、前職では前年対比で110%以上をクリアしました。(詳細は職務内容欄をご欄ください。)
・コールセンター業務の経験から、電話アポイントも得意としています。

【今後のビジョン】

何事も、興味を持ったら行動に移さなければ気がすまない性格から、転職を3回経験しましたが、今後は、1社に長く勤めることで、自分の存在価値を高めて、貢献していきたいと考えています。そのためには、常に問題意識を持ち、改善する姿勢を欠かさないことが大切だと考えます。前々職において、新入社員指導に携わった経験も生かし、将来は、優秀な部下を育てて企業に貢献できる管理職として活躍したいと思います。

【自己啓発】

顧客心理を勉強したいと考え、販売・営業に関わる自己啓発本を毎月5冊読んでいます。
また、年に数回、営業職向けセミナーに参加し、販売技術やモチベーションを高めています。

職務経歴書はキャリアの一貫性を強調する

職務経歴書では、キャリアに一貫性があることを強調することが大切です。
例えば営業職に応募するのであれば、営業に関係のある職歴を詳しく書き、その他の職種の職歴は短く簡潔に書きます。こうすることで、応募する職種に重点を置いてキャリアを積んできたことを印象づけられます。

さらに、それぞれの職歴で得たスキルを書き添えることで、転職でステップアップできていることをアピールしましょう。

また、職務経歴書は履歴書とは違い、必ずしも年代順に書かなくても構いません。「営業」「接客」など職種別に書いた方が、職歴の多さが目立たなくなります。採用担当者にとっても、何をどのくらいしてきたのか分かりやすいです。

職務経歴書の例文

経験した主な業務

【接客】
ビジネススーツ・雑貨の店頭販売、飲食店のホールスタッフ、厨房での調理補助、スタッフのマネジメント

• 「スーツに合うかばんも一緒に購入したい」というお客さまの声に応えようと、ネクタイや靴などの商品に加え、かばんも取り扱うよう店長に提案。その結果、雑貨売り場の売り上げを前年比115%に導いた。

• 飲食店では、アルバイトスタッフの手本となるよう、トイレの清掃なども率先して行った。その結果、スタッフの士気が上がり、一人ひとりが自ら仕事を探して店舗をよりよくする雰囲気が生まれた。

〈接客に関する職歴〉
2008年4月~2010年8月 株式会社〇〇カンパニー 新宿店で洋服の店頭販売を担当
2012年8月~2014年10月 △△株式会社の和食店「△△」(席数60,従業員16人)で店長補佐業務に従事

【営業】
生命保険の外交員、英語学習教材の販売、広告代理店の広告営業

• 常に生活者の視点に立った提案を心掛け、顧客との間に信頼関係を築くことを大切にした。その結果、紹介による新規顧客数が増加。それぞれの職場で、会社の売り上げに貢献することができた。

• 広告代理店の営業では、飲食店を中心に、インターネットへの広告営業のメリットを分かりやすく説明。飲食店勤務の経験を生かし、効果のある広告戦略を顧客ととも考え、「掲載してよかった」と感謝された。

〈営業に関する職歴〉
2010年9月~2011年6月 〇〇生命保険 外交員
2011年8月~2012年7月 △△株式会社 新宿営業所で英語教材販売に従事
2014年11月~現在 株式会社□□ 営業1課で広告営業に従事

自己PR

どの業種でも、顧客第一主義を貫いてきました。中でも、クレームが寄せられたときは、その中にこそ重要なニーズが隠さていると考え、誠実な対応に努めました。その結果、どの職場においても、「田中さんは顧客をファンにしてしまう」と評価され、クレーム対応が必要な場合は、私に任されるようになりました。相手の話を粘り強く聞き、ピンチをチャンスに変える力には自信があります。

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転職回数の多い人の面接対策!必ず聞かれる質問の対処法

退職理由でネガティブな回答はNG

面接で退職理由を聞かれたら、今後の働き方に焦点を当てて答えます。きちんと説明できればマイナス評価にはならないので、焦らずに回答できるよう準備しておきましょう。退職理由が「ブラック企業だったから」など、明らかに企業に問題がある場合でも、ネガティブな理由は絶対に挙げてはいけません

不条理なようですが、企業経営者は運の悪い人を避けたがる人が多いです。特に、企業側の落ち度での退職が多い人の場合、「運が悪すぎる」という理由で不採用になってしまうこともあります。目的意識が感じられない退職理由は、すべてNGだと思ってください。「自信がない」などの自分に対するネガティブワードも厳禁です。

転職回数が多い理由には転職活動の軸を答える

転職回数が多い理由は面接で必ず聞かれるので、落ち着いて回答できるように準備しておきましょう。この質問に対しては、転職活動の軸を答えます。転職活動の軸とは、「何を重視して転職していたのか」です。

転職活動の軸には「年収アップ」「スキルアップ」など、人によってさまざまなものがありますが、「年収アップ」などの仕事に関係ない軸を面接で回答するのはNGです。面接で回答するときは、「スキル・知識を習得できる環境を求めていた」など、仕事への熱意や向上心を感じられる軸を挙げましょう。

これまでの転職にまつわる考えを、ポジティブな言葉で答えることが大切です。

本番前に模擬面接で回答をチェックしてもらう

転職サイトのコンテンツや例文を参考に色々と内容をチェックして対策を立てていても、ぶっつけ本番で面接をするのは少し勇気が要りますよね。そこでおすすめなのが、転職エージェントに模擬面接をしてもらうことです。

転職エージェントであれば本番さながらに模擬面接を行うことができるので、回答内容に矛盾がないか、納得感があるか、キャリアコンサルタントにチェックしてもらうことができます。
もし内容に不備があればその場で改善策を出してもらえるので、本番前の面接対策に役立ちます。

面接対策が充実しているリクルートエージェント

リクルートエージェント

もっとも多くの企業とネットワークがある、業界最大手の転職エージェントです。求人数も最多で、非公開求人を20万件以上保有しています。取り扱う求人の業種・職種も幅広く、ハイキャリアからロースキルまで、さまざまな求職者に対応しています。

規模の大きさから「転職するなら必ず登録すべきエージェント」と言われ、転職成功した人のほとんどは、リクルートエージェント+自分の性格や希望業種に合った転職エージェントを併用しています。大きなエージェントなので担当の当たりハズレはありますが、情報源として押さえておきたいエージェントです。

拠点も全国主要都市に19箇所あり全国を網羅しており、転職サポートの流れもスピーディーなので、今すぐ転職したい人も頼りになります。土日の相談が可能なのも利用しやすいです。

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リクルートが運営する既卒専門サービスの就職shop

就職Shop

様々な業界や職種の未経験歓迎の求人を多く取り扱っていて、経験のない職種への転職もしやすいです。実際に、就職決定者の7割が未経験の職種についています。業界の特徴や仕事内容を学べる少人数セミナーも行っているので、自分の知らない業界への知識もつけられます。

利用者の9割が20代なので若い人が利用しやすく、専任のキャリアコーディネーターが書類や面接の対策をサポートしてくれます。

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転職回数が多い人が不利になる職種と有利になる職種

職種名
転職回数の多さが不利になる 営業系、販売・サービス系
転職回数の多さが不利にならない メディカル系化学食品

転職回数不問!回数が多い人でも転職成功率が高い職種

メディカル・化学・食品といった技術系、またはクリエイティブ系の職種は、4回目以上の転職でも不利になりません。専門性が高い職種のため、スキルアップのために転職するのが当たり前だからです。特に、看護師・薬剤師は常に人手不足のため、転職成功率がキープされやすいです。

技術系・クリエイティブ系の職種の転職の中でも、特に外資系企業とベンチャー企業は転職回数にこだわらない企業が多いので、おすすめです。

転職回数が多いと転職成功率が下がる職種

逆に、営業系、販売・サービス系といった、あまり専門性の高くない職種の場合は、転職回数が多いと採用されにくくなります。専門性が低い職種の場合は、どの企業に行ってもやるべきことが決まっていて、ノウハウも大差がないため、スキルアップなどのポジティブな理由で転職しているとは考えにくいからです。

また、これらの職種は意欲のある若手の採用が多い職種でもあるため、入社後に定着してくれる人を選びたいという理由で、転職回数が少ない求職者が好まれる傾向があります。

外資系企業は転職回数が多くてもOK

外資系企業には日本企業のような終身雇用の概念がなく、キャリアアップや給与アップのために転職することは当たり前でキャリアパスの中で必要なことという価値観があります。そのため、転職回数が多い=キャリア・スキルの向上に意欲的と受け止められ、転職回数の多さを低評価することはありません。

そのため、30代以降の場合でも実績が伴っていれば様々な経験値をプラス評価で見てもらえやすいです。ただし、20代~30代の場合はいくら外資系企業といえどあまりにも転職回数が多いと、判断力不足・忍耐力不足と捉えられてしまうこともあるので注意が必要です。

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30代から40代のキャリア志向のビジネスマン向けの転職エージェントで、外資系企業や日系企業のグローバルポジションに強みを持っています。
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さらに、外資系企業独特の面接対策も丁寧に行ってくれ、親身に対応してもらえます。
関東以外や海外にも拠点があるので、利用しやすいです。

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まとめ

20代は2回、30代は4~5回で転職回数が多いという印象を持たれ、転職活動において不利な傾向があります。転職回数の多さをポジティブな理由でカバーするなど、応募書類の書き方や、面接での受け答えを工夫するのが効果的です。
面接対策が不安という人は、模擬面接をしてもらえる転職エージェントを利用しましょう。

また、技術系やクリエイティブ系は転職回数を気にしない職種です。さらに、ベンチャーや外資系企業も転職回数には前向きな考え方なので、候補に入れるのもおすすめです。