転職を有利に進めるには自己分析が必須といわれますが、「難しそう」「面倒臭そう」「どうやればよいかわからない」といった理由で、二の足を踏んでいませんか?

ですが、自己分析がきちんとできていないと、求人選びの段階から失敗する可能性が高く、面接も通りにくくなってしまいます。理想の転職を叶えるために、ここでは自己分析の目的とやり方自己分析する際の注意点を解説します。自己分析に使えるツールも多数紹介するので、参考にしながら取り組んでみましょう。

この記事でできること
  • 転職活動で大事な自己分析
  • 簡単に自己分析できるツール9選
  • 自己分析するための6ステップ

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転職するために自己分析が大事なのはなぜ?

 

転職活動で職種を選んだり面接準備をする際、自己分析が必要といわれます。ここでは転職活動をする際の自己分析の大切さを解説します。

そもそも自己分析ってなに?

自己分析は転職するにあたって、「自分は何がしたいのか?」「どんな企業・業界に行きたいのか?」を確認・理解するための重要な作業です。
そのために、今までの自分の経験やスキルを見直し、自分の強み弱みや考え方を分析する必要があります。

転職活動をスムーズに進めるための1番の準備

中途採用では、仕事への意欲や人間性に加え、社会人経験での実務能力が選考基準になります。そのため、社会人としてのアピールポイントが明確になっていないと、内定を得ることは難しいです。

転職活動をスムーズに進めるには、最初に自己分析を行い、客観的な自分の人物像を把握しておくことが非常に重要です。

自己分析を転職活動に生かすポイント

転職の際に行った自己分析を生かせば、よりスムーズに転職活動できます。

  • 納得感のある志望動機・自己PRで転職面接をクリアできる
  • 志望企業を正確に選び、後悔ない転職をできる

順番に解説します。

納得感のある志望動機・自己PRで転職面接をクリアできる

企業と自分のニーズが合致しない求人まで応募して、「ちっとも面接に合格しない」という事態を避けるためにも、自己分析は大切です。自己分析ができていない人は、志望動機などもあやふやになりやすいために、面接を通過しにくいというのもあります。

さらに、自己評価と他者からの評価が大きく異なっている可能性もありますが、企業面接で評価を決めるのは、客観的な第三者である採用担当者です。「第三者から見た自分」を知る手段としても自己分析が必要です。

志望企業を正確に選び、後悔しない転職をできる

自己分析を行うことで、転職の目的も明確になります。求人を探す前に、自分が重視するポイントや目標をしっかり認識できていれば、志望する企業を選ぶ時の軸がハッキリします。そのため、転職後のミスマッチも起こりにくくなります。

したがって、「入社後にミスマッチに気づいて転職し直し」といった失敗を防ぐ手段としても、自己分析は大切です。

自己分析がしっかりできていると、仕事以外の場面でも納得いく選択に役立ちます。ぜひ、面倒がらずに取り組んでください。

転職の自己分析を簡単にできるツール9選

無料でダウンロードできるツールやサイトを活用すれば、自分では気づかなかった能力や性格が見つかるかもしれません。新しい魅力を発見して、ぜひ転職活動に生かしてください。

①自分史

出典:Microsoft

自分自身の過去を振り返りながら、さまざまな経験を時系列順に書き出していく方法です。多くの些細な事柄から、今まで意識していなかった自分の性格や好みが見えてきます。出来事を羅列するだけでなく、当時の気持ちや環境なども書き出していくと、より深く自己分析できます
時系列順にまとめてあるので、「どのような経験が今の趣味・嗜好に繋がった」「考えの基になった」など、自分の思考や趣味のルーツもわかります。

一から自分で自分史を作るのは大変、という人はネットから無料でダウンロードできる自分史を利用するのもおすすめです。

リンク:自分史 (年表) Microsoft ダウンロードページ

②ジョハリの窓

アメリカの心理学者が発表した、「対人関係における気づきのグラフモデル」です。ジョハリの窓で自己分析するには、最低4人が必要なので、友達などに協力してもらって行います。他人と一緒に行うことで、自己評価と他者からの評価のギャップを知ることができます。

また、自分の長所や才能に気付ける可能性は、他人から見た方が説得力があるので、自己PRに取り入れやすいメリットもあります。

③マインドマップ

出典:マインドマップの学校

メモリーツリーとも呼ばれる方法です。まず、中心に自分を書き、そこから自分に関連のあるものを連想して繋げていく形で、図を描いていきます。連想するものは、経験やスキルに関連するもの、当時の自分の性格や出来事で重要なものなどを書きます。

図にすることで、自分と出来事などの関連性を可視化できます。順番を気にしなくてよく、文章を考える必要もないので、自分史よりもスラスラと書けると思います。

④エニアグラム

出典:エニアグラム研究所

個人の特性を9つのタイプに分類する方法です。無料の専用サイトがあり、90問の質問に答えると診断できます。「簡易版」と書かれた36問しかないヴァージョンもありますが、より正確に診断するなら90問回答式のものを利用しましょう。

ただし、質問にイエス・ノーの2択で答えていくだけなので、自分の知りたいことが全部わかるわけではなく、2択でしか回答できないため、正確に回答するのが難しい面もあります。したがって、エニアグラムの診断結果だけで判断せず、他のさまざまな自己分析ツールと併用するのがおすすめです。

Re就活 エニアグラム 適職診断テスト

Re就活適職診断

日本エニアグラム学会 前理事長が開発した診断テストです。仕事の強み・適職を9つのタイプに分類して向いている仕事&不向きな仕事や自分の強み等が分かる。行動特性診断では自分の価値観、仕事・生活のスタイルが分かります、マッチした企業を探すヒントになりますし、現在の生活に役立つ診断結果は5000文字分あり、自己PRのネタにもなります。

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⑤エゴグラム

出典:doda

人の性格を5つの領域に分けて分析する方法です。5つの性格の要素をグラフ化されることで、大まかではありますが、自分の性格の傾向をつかむことができます。

doda転職タイプ診断

dodaの適職診断

あなたはどんなことを大切にするタイプか?、最近の仕事への満足度など 3ステップであなたの”仕事探しの軸”と”いまの満足度”が診断されます。現在の会社の満足度、不満度などから、転職おすすめ度が提示されます。
自己分析にも活用でき、仕事選び・適職探しのヒントにはなります。

北海道から九州まで全国10箇所に拠点があり地方の求人も豊富です。
※職種、年齢、経験を問わず、さまざまな方が利用して転職に成功しています。

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⑥ディグラム診断

出典:マイナビ転職

マーケティングリサーチのプロが作り出した診断方法です。23万人のアンケート調査で取得したデータベースと、上記のエゴグラムを合体させたもので、「心理学×統計学」による性格診断ができます。20個の質問に答えると、27種類の性格タイプの中から自分のタイプがわかります。

⑦ストレングスファインダー

出典:Amazon

アメリカの世論調査会社が開発した診断方法です。「一人ひとりが自分の強みを活用して働くことで、楽しく効果的に成果を出す」ことを目的としています。テストを受けると、34の資質の中から、自分だけが持つ強みを明らかにできます。日本語サイトもあるので、英語がわからなくても診断できます。

ストレングスファインダーの診断を受けるには、アクセスコードが必要です。アクセスコードが付属した書籍を購入するか、開発元であるギャラップ社のサイトからアクセスコードを購入します。

⑧グッドポイント診断

出典:リクナビNEXT

リクルート社が開発した「強み診断テスト」で、無料版ストレングスファインダーとも言われています。テストを受けると、18種類の強みの中から、自分の強みを5つ判定されます。

リクナビNEXTのグッドポイント診断

リクナビネクスト

(株)リクルートマネジメントソリューションズが監修したもので、テストAとテストBの合計22問で仕事選びや価値観・性格を分析します。3分間と、比較的に短い時間でできる手軽なツールで「親密性」、「冷静沈着」、「受容力」など、18種類の中から自分の強みを5つ診断してくれます。

客観的に判断した結果ですので、自分では何とも思っていなかった部分が実は長所だったりと、新しい発見もあります。適職を探すためだけでなく、応募書類・自己PRなどの作成にも役に立ち、リクナビNEXTでは応募時に診断結果を添付することで自分の強みをアピールできます。

リクナビNEXTのグッドポイント診断

診断結果の正確性や詳しさはストレングスファインダーの方が優れていますが、自己分析に費用を掛けたくない人は、グッドポイント診断を利用してもよいでしょう。リクナビNEXTに会員登録すると利用できます。

⑨いい仕事ミイつけよう診断

出典:女性の転職@type

女性の転職@typeが行っている、無料適職診断です。志向・性格にまつわる簡単な質問に答えるだけで、自分の持つスキルと相性がよい適性職種を楽しく診断します。ただし、質問されるのはあくまでも「経験した仕事」で得意不得意は問われないため、診断結果の正確性は低いです。


転職のための自己分析は6ステップをおさえればOK

この6ステップを順番に進めていけば、自分の内面と向き合え自己分析がしっかり行えるでしょう。ぜひ活用してください。

①「振り返り」

自己分析は、今までの実績・キャリアの振り返りから行うと、その後のステップのネタが生まれるのでスムーズです。このステップで洗い出すのは、「具体的な仕事内容」「どんなときに自分のやる気が上がる/下がるのか」、「身についた力」です。自己分析全体のベースとなる、もっとも重要なステップです。

社会人になってからのことだけでなく、子どもの頃のことまで遡って振り返ります。

②「自分のしたいこと」

「何がやりたいのか、なぜ転職したいのか、どんな人生を歩みたいのか?」といったことを明確にするためのステップです。このステップを踏むことで、説得力のある志望動機も引き出せます。自分のしたいことを明確にすることは、転職成功の第一歩です。

仕事の観点だけではなく、プライベートの部分も考慮しながら、今後どうしたいのか、どうなりたいのかを考えましょう。長期目標から逆算して、短期目標も設定します。目標があとで変わることもありますが、その都度、軌道修正すればOKです。

③「何ができるのか・自分の強み」

自分の強み・スキルの洗い出しを行うステップです。経済産業省が定義した12の能力要素
「社会人基礎力」を参考にすると考えやすいです。スキルには大きく分けて、「テクニカルスキル」と「パーソナルスキル」の2つがあります。

テクニカルスキルとは、専門的な技術や知識のことです。現職と同職種・同業種への転職では、少ない経験でも非常に強力なアピールポイントになります。

もう一つのパーソナルスキルは、以下の3つに分類できます。

ヒューマンスキル(対人)

「報告・連絡・相談」がきちんとできる・「接客スキル」など、他人と円滑にコミュニケーションを図るためのスキルです。

セルフコントロールスキル(対自分)

自分をマネジメントするためのスキルです。「ストレスと上手くつき合う」「モチベーションを維持し続ける」などの精神面の調整や、「仕事を効率よく進めるために、自分のやり方を見直して修正する」といったことに役立ちます。

タスクマネジメントスキル(対仕事)

自分の仕事をスムーズに処理していくためのスキルです。「1日の仕事を上手に組み立てられる」、「締め切りに合わせて仕事を消化できる」、「営業目標を達成するためのノウハウを持っている」などが該当します。

④「自分の弱み」

②で決定した目標を達成するには、「できない自分」と向き合い、苦手なことをリカバリーしていくことも必要です。このステップでは、自分の弱みを明確にしましょう。
自分の弱みは、過去の失敗経験について、「なぜ失敗したのか」を考えるとわかります。

⑤「何が求められているのか」

転職成功するには、自分の強みと企業の求めていることが両方ぴったり合う企業を探すことが大切です。企業が求めているものは、企業の成長段階によって異なります。
このステップでは、志望先の企業研究を通して、企業が何を求めているのかを理解し、そこにどう自分をアジャストさせていくかを考えます。

⑥客観的な意見を聞く

自己分析だけでは独りよがりになっている可能性もあるので、他の人の意見も聞いてみます。一緒に働いている同僚や上司に意見を聞くのが一番よいですが、転職することを伏せているなどで聞けない場合は、転職エージェントに聞く方法もあります。

転職エージェントは、転職支援の一環として、自己分析の手助けも無料で行ってくれます。転職エージェントで支援を行うキャリアコンサルタントは、数多くの転職希望者の相談に乗ってきた経験とデータを持つ、いわば転職のプロです。市場の動向などに基づいた意見が聞けるので、活用しない手はありません。経歴書・職務経歴書の効果的な書き方など、さまざまなアドバイスも受けられます

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転職のための自己分析、ここだけは注意が必要

自己分析を始めていくと、過去の出来事や失敗が頭によぎり落ち込むこともあるかもしれません。内面との向き合いは大切ですが、自分の良さを発見する機会にしていきましょう。

短所ばかり気にする

ポジティブ思考の人は問題がありませんが、ネガティブ思考の人は自己分析の時に注意が必要です。自分の短所ばかり気にして自己嫌悪に陥り、積極的な転職活動ができなくなる可能性があります。

客観的な意見ではなく、思い込みで決めてしまう

自分本位な考えに傾倒してしまいがちなのは、弱みよりも強みの方が多いです。
自分ではアピールできる強みのポイントだと思っていても、周りからの意見は違ったなんてこともあります。
このような状態に気づかないまま転職活動を進めてしまうと、面接時にちぐはぐな返答しかできなかったりと採用担当者に良い印象を与えることができません。

自己分析に時間をかけすぎ・自己分析を1回しかしない

自己分析は始めてみると、自分の新しい発見があったりと面白い作業です。しかし、この自己分析に時間をかけすぎるとその後の転職活動のスケジュールが乱れてしまい、予定していたよりも転職活動にかかる期間が長くなる恐れがあります。自己分析にかける期間は長くても1か月程度としましょう。

また、自己分析は1回やればよいというわけではありません。転職活動を進めていくうちに壁にぶち当たったり、本当にこれでいいのか不安になることもあるかと思います。
そのような時に、また自己分析をしてみると考えが確信にかわり、また転職活動を進める一歩になります。

自己分析は複数の方法を組み合わせると効果的

一つひとつの診断方法には多少のズレや偏りがありますが、いくつかの診断方法を組み合わせることで、それぞれの方法のズレが補正されやすくなります。自分自身についてより正確に棚卸しを行い、アピールポイントを探るために複数の方法を併用しましょう。

また、なるべく正確な診断結果を得るには、見栄を張らずに、今の自分について正直に回答することが大切です。

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まとめ

自己分析ができているかどうかで採用が決まるといっても過言ではないほど、転職活動において自己分析は重要です。自己分析のためのお助けツールもあるので、必要に応じて活用するとよいでしょう。

ですが、自己分析だけでは独りよがりになってしまう危険性もあるので、他の人の評価を聞くことも大切です。上司や同僚に聞けるとよいですが、難しい場合は、転職エージェントのキャリアコンサルタントに聞く方法もあります。キャリアコンサルタントなら転職のプロなので、有意義な意見が聞けます。