「今度こそは、残業代が満額出る会社に転職したい。でも、残業代が出ない会社をどうやって見分ければいい?」
新しい会社に転職するなら、残業代が満額出るかどうかは事前に把握しておきたいところですが、入社前に情報を得るのは難しいですよね。
ここでは、残業代が満額出るかをリサーチする方法を紹介します。また、残業代が出ない会社の手口や、残業代が出ないことが多い業種も紹介します。サービス残業がない会社を選びたい人は、ぜひ参考にしてください。
残業代が出ない企業の割合はどれくらい?
3人に1人は残業代をもらっていない
「日本法規情報株式会社」の調査によると、94%の人が残業をしています。そのうち、28%は残業代が支払われていません。
したがって、残業をしている人のうち、3人に1人は残業代がもらえていないことになります。
また、残業代をもらえている人の内訳を見ると、1ヶ月の残業代が30,000円未満の人が51%です。仮に、30時間残業して残業代が30,000円とすると、時給1,000円ということになります。
毎月40時間以上の長時間残業を訴える人が多いことを考え合わせると、正当な残業代が支払われている会社がどの程度あるのか、疑問が残ります。
残業代が出ないのは違法!
会社が独自に「残業代は出さない」と決めている場合は、社員も残業代は出ないものと思って諦めがちです。
しかし、裁量労働制が認められる特殊な仕事を除いては、残業代を支払わないことは違法です。
さらに、残業代は通常の賃金の2割5分~5割を上乗せしなければならないことが、労働基準法で定められています。また、1ヶ月の残業時間が60時間を超えた分については、5割以上の割増賃金を支払う義務があります。
残業代が出ない会社をどうやって見分けたらいい?
残業代が出ない会社の手口をチェック!
残業代を出したがらない会社は、さまざまな手口で残業代をカットしようとします。
①タイムカードを定時で切らせてから残業させる
②毎月の残業代の上限を決めて、それ以上は払わない
③15分、30分などの端数を切り捨てて残業時間を計算される
④会社では残業させず、仕事を家に持ち帰らせる
特に悪質なのは、④の手口です。会社からの指示で行う場合は、自宅での残業も残業代の支払い対象になります。
しかし、「家でやるように」とは明言されず、会社での残業が禁止になっているだけのケースもあります。仕事が終わらないので家でやるしかありませんが、会社から残業を指示されていない場合は、残業代の支払い義務がないので賃金がもらえません。
残業代が出ないことが多い業種
地方公務員
地方公務員の給料は税金で賄われるため、事業所ごとに全員分の予算があらかじめ決まっています。
全員分の給料を予算内で納めなければならないため、残業代が出ない役所なども多いです。
飲食・アパレル
飲食業界とアパレル業界は、少数の社員を店舗に配属し、足りない分の人手はアルバイトで補うのが一般的です。
そして、アルバイトの人件費がかさんできたときに、社員の残業代を削ることで人件費を調整する傾向があります。
特に店長は、名前だけは管理職なので、役職手当に見合わないほど長時間のサービス残業を強いられます。
IT関連
SEやプログラマー、デザイナーなどのIT関連もサービス残業が多いです。
バグ取りや仕様変更などで急ぎの仕事が発生しやすいため、連日泊まり込みになることもしばしばです。
しかし、ブラック企業が多い業界なので、時間外の仕事に対しては賃金を支払ってもらえないことも珍しくありません。
さらに、業界全体が人材不足のため、知識や技術に優れた一部の人に、サービス残業が集中しがちでもあります。
土木
残業代未払いの告発が特に多いのは、土木業界です。土木業界は現場作業である性質上、タイムカードがなく、勤務時間の管理がずさんになりがちです。
さらに、作業量が多い上に人手不足の業界ですが、予算が渋いために工期に余裕がない現場が多いです。そのため、サービス残業が慢性化しています。
違法でなくても残業代が出ない場合はある?
管理職の場合は残業代が出ない
労働基準法で「管理監督者」に定義される人に対しては、残業代を支払わなくてもよいことになっています。
管理監督者の定義の一つに、「経営方針や労働条件、採用の決定に関与している」ことが挙げられます。簡単にいうと、経営者に近い立場ということです。
したがって、一般にいわれる「管理職」は、必ずしも管理監督者とは限りません。
そのため、大した権限のない名前だけの管理職の人には、一般の社員と同じように残業代を支払わなければなりません。
残業代をケチるために、「名ばかり管理職」を増やして残業代を出さないようにする会社もありますが、こうした行為は違法です。
みなし残業時間内だと残業代が出ない
裁量労働制や年俸制の場合は、固定給の中にあらかじめ、みなし残業分の残業代が含まれています。そのため、みなし残業時間内の残業については、残業代の別途支給がありません。
しかし、みなし分を超えた残業については、残業代を追加で支払う義務があります。
また、固定残業代を低く設定している会社や、みなし残業を適用してはいけない職種を見なし残業にしている会社もあるため、注意が必要です。
残業代が満額出る会社に転職したい!残業代が出る会社を知る方法
口コミなどで残業代が出るかチェック
希望の会社で残業代が満額出るかを知りたいときは、転職口コミサイトをチェックしてみるとよいです。
ほとんどの転職口コミサイトは、会員登録しないと投稿できないため、サクラが入り込みにくく、信憑性の高い情報が集まりやすくなっています。
ただし、規模が小さい企業だと、口コミが投稿されていないこともあります。
社員に聞くと本音の意見が聞ける
可能であれば、その会社の社員に聞くのが一番確実です。そのために、会社説明会に足を運ぶのもよい方法です。
質問するときは、「残業代は出ますか?」だとストレート過ぎるので、「残業はどのように計算されていますか?」と聞くとよいでしょう。この聞き方は、面接でも使えます。
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まとめ
残業している人の3人に1人は残業代がもらえていないので、残業代が出ない会社は決して少なくありません。
残業代を出さない会社に見られる代表的な手口には、以下のものが挙げられます。
①タイムカードを定時で切らせてから残業させる
②毎月の残業代の上限を決めて、それ以上は払わない
③15分、30分などの端数を切り捨てて残業時間を計算される
④会社では残業させず、仕事を家に持ち帰らせる
特に、公務員、飲食・アパレル、IT関連、土木は残業代が出ない会社が多いため、注意が必要です。
残業代が満額出る会社に転職したい人は、転職口コミサイトで調べるか、会社説明会などを利用して社員に直接聞いてみるとよいです。