旅行業界は多くの人が憧れを抱く転職先です。
しかし旅行業界は新卒採用が基本であり、中途採用の求人は少ししかありません。旅行業界への転職は、未経験だと特に、厳しいと感じることが多いでしょう。
とはいえ未経験で挑戦できる職種もあるので、旅行業界に興味があるなら、諦めずにチャレンジしてみることをおすすめします。
本記事では旅行業界の転職難易度や、仕事の種類について、わかりやすく解説します。未経験で転職できる職種もご紹介しています。
旅行業界の転職先は2種類
旅行業界は「旅行業」と「旅行業者代理業」の2つに分かれています。
- 旅行業
- 旅行業者代理業
転職先を選ぶ際は、このいずれかを選択することになるでしょう。両者の違いをわかりやすく解説します。
旅行業
「旅行業者」とは、パッケージツアーなどの企画をする旅行会社です。
旅行業者はさらに第1種、第2種、第3種の3つに分かれています。種別によって、旅行企画を立てられる範囲が以下の通り決められています。
- 「第1種旅行業」…海外と国内の両方
- 「第2種旅行業」…国内のみ
- 「第3種旅行業」…営業所がある市町村や、隣接する市町村のみ
旅行業者代理業
「旅行業者代理業者」は、「旅行業者」が企画したパッケージツアーなどの販売を行う旅行会社です。
「旅行業者代理業者」は、「旅行業者」の会社と代理契約を結んでいます。契約している「旅行業者」の業務範囲内で、すべての業務を行うことが可能です。
旅行業界の具体的な転職先
旅行業界の転職先について、もう少し詳しく見ていきましょう。
旅行業界大手4社「JTB・KNT-CT・HIS・日本旅行」
旅行業界大手4社といえば、JTB・KNT-CTホールディングス・HIS・日本旅行です。
- JTB
- 国内最大手の旅行代理店。1912年に創業。国内に約30社のグループ会社・関係団体を持つ。
- KNT-CTホールディングス
- 近鉄グループ。2013年に「クラブツーリズム」と「近畿日本ツーリスト」が合併して誕生した。
- HIS
- 海外旅行に強み。
- 日本旅行
- 1905年創業。に日本で最初の旅行会社。JR西日本の傘下。
無店舗オンライン旅行会社
昔は店頭販売が主流だった旅行業界ですが、近年では店舗を持たず、オンラインだけでツアー販売やホテル予約を完結させる旅行会社も増えています。
たとえばじゃらんnet、楽天トラベル、一休.comなどです。
インターネット専門の旅行代理店を、「OTA」と呼びます。OTAは、参入ハードルが低いため、旅行業以外から参入する企業も多いです。
たとえば「じゃらんnet」を運営するリクルートグループは、人材紹介事業で知られています。
旅行業界の職種|未経験転職にもおすすめ
旅行業界のおもな職種をご紹介します。未経験で転職しやすい職種についても解説します。
商品開発・企画(ツアープランナー)
旅行業界の企画職です。「ツアープランナー」と呼ばれることもあります。パッケージツアーやパック旅行といった、魅力的な旅行商品の企画を担当する仕事です。
旅行商品を考える際は、移動のルートや手段、宿泊施設、採算性など、さまざまな要素を考慮しなければなりません。旅行に関する深い知識が必要な職種です。
旅行の企画職は楽しそうなイメージから、希望者の多い職種ですが、まず店頭営業や旅行添乗員として経験を積んでからなるケースが大半となっています。未経験で応募できる商品開発・企画の求人は少ないです。
なお、会社によっては添乗員(ツアーコンダクター)が旅行の企画もすることもあります。
旅行添乗員(ツアーコンダクター)
旅行添乗員(ツアーコンダクター)は、旅行業界未経験で挑戦しやすい職種です。お客様の旅行に同行し、快適・安全に過ごせるようサポートします。具体的な業務内容は、スケジュール管理やトラブル対応などです。
勤務先が旅行会社の場合は、添乗業務だけではなく、営業や企画の業務を兼ねることも多くあります。なお、添乗員派遣会社では、添乗業務がメインです。やりたい仕事や、積みたい経験の範囲に応じて転職先を選ぶといいでしょう。
個人・店頭営業(カウンターセールス)
個人・店頭営業(カウンターセールス)は、未経験で応募可能な求人が多い職種です。
その名の通り、旅行会社の店舗受付カウンターで、一般のお客様にツアー等の旅行商品を提案します。また、インターネットで申し込みをしたお客様と、電話やメールでやり取りをするのも仕事です。
接客経験がある人は、挑戦しやすい職種と言えます。
法人営業(アウトセールス)
法人営業(アウトセールス)は、団体旅行を提案する職種です。企業や官公庁、学校などに向けて、予算に合う社員旅行や修学旅行のプランを提案します。
取り扱う契約の規模が大きいので、会社への売上貢献度が高いです。個人・店頭営業からステップアップしたい人や、さまざまな顧客と関わりたい人に向いています。
旅行業界に転職するときの注意点
旅行業界に転職するときの注意点は次の通りです。
経験者が有利
旅行業界の中途採用では、経験者が求められる傾向です。
旅行代理店は「薄利多売」のビジネスモデルなので、人材教育にコストをかけられない、未経験者に仕事を教える時間がないといった事情があります。
しかし「カウンターセールス」「OTA(オンライン旅行会社)」「添乗員」などの求人では、未経験で応募できるケースもたびたびあります。
29歳までの年齢制限を設けている求人も多い
旅行業界への転職に何歳までという年齢制限はありませんが、「29歳まで」の年齢制限を設けている求人も多く見られます。
20代でコミュニケーションが得意な方、旅が好きな方は、未経験でも転職できるでしょう。
しかし30代以降の未経験者は、旅行業界への転職が厳しいと感じるかもしれません。
中途採用の求人が少ない
旅行業界では新卒採用が主流です。中途採用の求人数は少ないため、なかなか転職先を見つけられない可能性があります。
大手転職サイト「doda」で、旅行・旅行代理業の転職・求人検索結果を見てみると、2024年11月時点で376件しかヒットしません。
dodaには25万件以上の公開求人が掲載されているにもかかわらず、旅行・旅行代理業の求人数は、極端に少ないです。
旅行会社・旅行業界専門の転職サイト「レジャリスト」でも、769件しか求人がヒットしませんでした。
旅行業界は一般的に、楽しそうなイメージがあります。転職先として検討する人も多いでしょう。しかしそもそも応募先がない、あったとしても競争率が高い、といった可能性を考慮することが必要です。
航空・鉄道業界やホテル・旅館業界も検討する
「旅行会社以外でもいいが、旅行に関する仕事がしたい」という人は、航空・鉄道業界やホテル・旅館業界もあわせて検討してみるといいでしょう。
旅行業界は求人数が少ないので、関連業界まで視野を広げてみると、転職先を見つけやすくなります。
旅行業界におすすめの転職サイト
旅行業界におすすめの転職サイト「やまとごころキャリア」をご紹介します。
やまとごころキャリア
- 運営会社
- 株式会社やまとごころキャリア
- 公開求人数
- 210件
- 利用料金
- 無料
- 特徴
- インバウンド特化の求人サイト
やまとごころキャリアは、旅行業界の中でも、インバウンド(訪日観光)に特化した求人サイトです。
旅行会社や宿泊施設、急成長中のインバウンドビジネスに参入するさまざま企業の求人が集まっています。特に語学力を活かせる求人や、日本文化の紹介に携われる求人が多いです。
また、インバウンド業界への転職に欠かせない情報収集ができる点も、やまとごころキャリアの魅力です。インバウンド業界の最新ニュースや、業界に特化したセミナー・イベント情報などの、有益な情報をいち早く入手できます。旅行業界でインバウンドの仕事に転職したい方へおすすめです。
- インバウンド(訪日観光)業界に転職したい人
- 情報収集に役立てたい人
- 語学力を活かしたい人
旅行業界への転職は未経験でも可能だが20代をオーバーすると厳しい
旅行業界への転職は未経験でも可能です。年齢制限もありません。
しかし20代をオーバーすると、応募できる求人が減ってしまいます。30代以降の転職活動は厳しいと感じることが多いでしょう。
転職エージェントの活用も視野に入れながら、旅行業界への転職を成功させましょう。