新しいものを作り出すことが好きな人にとって、事業企画は魅力的な仕事の一つです。「自分のアイディアを形にしたい」、「チームで目標を達成する喜びを感じたい」などの理由で、他の仕事から事業企画への転職を考える人もいます。

ここでは、未経験から事業企画に転職したい人のために、事業企画への転職で求められるスキル転職に適した年齢未経験OKな事業企画求人の探し方を紹介します。事業企画の仕事内容と年収も紹介するので、「経営企画との違いが分からない」という人も参考にしてください。

事業企画の仕事内容・年収・将来性は?

個別事業ごとの具体的なビジネスアイディアを発掘、実現する仕事

事業企画の仕事は、個別事業ごとの中長期的な発展を目指し、具体的なビジネスアイディアを発掘して、人・物・金・情報といった経営資源や、外部連携を通じて実現することです。

経営企画と一緒くたにされることが多いですが、経営企画は企業経営という抽象的・概念的な要素が強い仕事であるのに対し、事業企画は具体的で現実的な仕事です。

経営企画や経営会議で決定した方針や計画に沿って、具体的に各事業の実務に落とし込む役割と考えるとよいでしょう。

企業によっても事業企画の仕事内容が異なる

事業企画の定義は、企業経営者の間でもあまり理解が進んでいないため、企業によっても事業計画の仕事内容が異なります

経営企画部に事業企画の機能が内包されている場合もあれば、事業企画部といいながら、仕事の内容は経営企画という場合もあります。部署名も「事業企画」、「事業統括」、「戦略企画」など、企業によってバラバラなので、混乱・誤解を生じやすい状況になっています。

入社後のミスマッチを避けるためにも、具体的にどのような業務を行うのか、志望先の事業企画の仕事内容を理解した上で応募を決めた方がよいです。

残業がやや多めで休みがやや少なめだが年収も高い

事業企画の年収は600万円台が平均的で、最高年収は約2,000万円です。特に、新たな市場への参入や海外進出を目指している企業では、事業企画の年収が高い傾向があります。

残業は月25時間程度、年間休日日数は120日が平均的なので、残業やや多め・休みやや少なめですが、労働量に見合った収入が得られる仕事といえるでしょう。

海外向きの人材なら食いっぱぐれなし

国内では多くの分野で市場が縮小しているため、近年はアジアをはじめ、海外への進出に力を入れる企業が増えています。それに伴い、海外進出や現地でのM&A、業務提携に強い人材の需要も高まっています

今後も、日本企業の海外進出の傾向は続く見込みなので、海外でのビジネスに強い人材であれば、食いっぱぐれる心配はないでしょう。

未経験から事業企画に転職する方法

事業企画への転職では、豊富な職務経験と英語での交渉力が必須

事業企画は単に知識を持っているだけでは不十分で、過去の職務経験の積み重ねがモノをいう仕事です。さらに、海外での折衝もこなせなければなりません。

したがって、事業企画に転職したいなら、複数の職務経験と、英語での交渉力が必須です。

コミュニケーション能力・マネジメント力とMBAスキルも重要

企業規模によって、事業企画の立ち位置は微妙に異なりますが、いずれにしても社内外での折衝の機会が多いので、円満な人間関係を構築できるコミュニケーション能力も重要です。

特に、新規事業の立ち上げでは少数精鋭で始めて、テストマーケティングが終わる頃にクロスファンクショナルチームが合流する形になることが多いため、さまざまな立場の人に円滑に動いてもらえるマネジメント力も不可欠です。

また、計画の破綻をいち早く見極めて修正するためには、財務分析や競争力分析などのMBAスキルも必要になります。

顧客が法人か個人かでも求められるスキルが異なる

法人を顧客とする企業なのか、個人を顧客とする企業なのかによっても、求められるスキルが異なります。

法人を顧客とする企業の事業企画では営業職的なスキルが求められ、相手の気持ちを察する力や洞察力など、相手を敏感に受信する能力が必要になります。

一方、個人を顧客付する企業の事業企画の場合は、マーケティング系のスキルが求められるプロジェクトが多いです。

ただし、マーケティングに特化した職種であるアナリストなどがスペシャリストなのに対し、事業企画ではゼネラリストが求められるため、マーケティング畑から事業企画への転職は互換性がイマイチです。

事業計画への転職では、資格よりも職務経験の豊富さが重視される

事業計画への転職では、資格よりも職務経験が豊富であることが重視されます。資格の有無が選考を左右することはまずありません。

特に資格を持っていなくても、事業計画の実務に耐えうる職務経験を持っていれば、必要な知識も自動的に備わっているからです。また、知識だけの資格よりも、新規事業立ち上げへの参加経験の方が評価されます。

事業企画への転職は若手より40代が歓迎される

事業企画の業務は豊富な経験がないと難しい局面も多いため、若手よりも40代の人材が重宝されます。知識と経験が備わっていて、マネジメント経験もあり、なおかつ定年まで長く働いてもらえる人材となると、40代がベストだからです。

まだ若手で事業計画への転職を目指しているなら、知識と経験を蓄え、転職に備えておくとよいです。MBAを取得するか、それに準じる知識も習得しておきましょう。

営業職は頑張りが数値に反映されやすく、出世しやすいので、営業職でマネジメント経験を積んでおくのも効果的です。

未経験から事業企画に転職、失敗しない転職先の選び方

異業種の企業は避けた方がよい

知識がない業界で事業企画に転職してしまうと、知識不足から社内の人間にやり込められてしまい、協力を仰ぐのが難しくなります

事業企画に転職したいなら、現職と同じ業界の企業を選んだ方が仕事がやりやすいです。

企業そのものや事業内容に興味を持てない企業も避けた方がよい

企業そのものや、事業内容に興味を持てない企業も避けた方がよいです。事業企画は、自分が率先して動き、それに周りも巻き込んでいかなければならない仕事です。

ですが、興味を持てない事業のために動いても、そこに情熱はありませんし、情熱のない人が頼みごとをしても、周りは動いてくれないので行き詰ってしまいます。

そうならないためには少なくとも、「この企業を発展させたい」と思える企業を選んだ方がよいです。

営業職の年収例が異常に高い企業や、いつも同じ求人を出している企業も避ける

営業職の年収例が異常に高い企業や、いつも同じ求人を出している企業も避けた方がよいです。こうした企業は、離職率の高いブラック企業である可能性が高いからです。

また、勤務条件などの具体的な情報が網羅されていない求人も避けましょう。特に、昇給について触れられていない求人は、長く働いても初任給と変わらない給料のままになる可能性があります。

平均年収が高く、福利厚生が充実している企業を選ぶ

事業企画への転職でホワイト企業を選びたいなら、平均年収が高く、福利厚生が充実している企業を選ぶとよいです。福利厚生は、最低でも法定福利厚生4つが整っている企業を選ぶようにしましょう。

・雇用保険
・労災保険
・健康保険
・厚生年金

なお、年間休日日数は120日以上を目安に判断すると、ある程度休みが取れて無理なく働けます。

また、育成制度が充実している企業も、人材を大切にするホワイト企業である可能性が高くおすすめです。

採用ステップが長い企業は人間関係が良好な傾向がある

入社後の待遇以外に、採用ステップも優良企業を見分ける目安になります。

採用ステップが長い企業は、選考プロセスで人格に問題がある人がふるい落とされていくので、性格のよい人で組織が構成されていることが多く、人間関係を構築しやすい職場であることが多いです。

事業企画の未経験OK&優良求人を探すなら転職エージェントを利用した方がよい

事業企画はCOOなどの重要ポジションを兼任することも多いため、募集は非公開求人で行われることがほとんどです。そのため、ハローワークや求人サイトには、事業企画の求人は、ほぼ出回りません。

事業企画で未経験OKの優良求人を探すなら、転職エージェントで非公開求人を紹介してもらうのがもっとも手っ取り早いです。

非公開求人を扱っているのは転職エージェントだけで、入社後の仕事内容や求人企業の内部事情なども教えてもらえるので、ミスマッチを防ぎながら求人を選べます

求人企業に合わせた面接対策など、選考通過のためのサポートもあるので、不利になりがちな未経験転職をスムーズに進められるメリットもあります。

リクルートエージェント

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最大手の転職エージェントで、非公開求人が約20万件あります。事業企画の非公開求人も多数あります。求人企業は内資・外資の大手企業が中心で、ハイキャリア・ハイスキル向けの質の高い求人も豊富です。全国に対応しており、海外求人も約500件あります。

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まとめ

事業企画は、個別事業ごとに具体的なビジネスアイディアを発掘して実現する仕事で、年収は高めです。海外でのビジネスに強い人材なら、食いっぱぐれがありません

事業企画への転職では、現職と同業種の企業を選んだ方が仕事がやりやすいです。なお、さまざまな職務経験を持つ人が歓迎されるので、能力があれば未経験でも転職できます。その他に必要なスキルは以下の通りです。

英語での交渉力
・コミュニケーション能力
マネジメント力
MBAスキル
・法人が顧客の企業の場合は営業職的なスキル
・個人が顧客の企業の場合はマーケティング系のスキル

年齢的には40代がもっとも好まれます。ですが、事業企画の求人は社内の重要ポジションを兼任することが多いため、求人のほとんどは非公開求人です。転職エージェントを上手く利用して転職を進めましょう。