「厳しいノルマとパワハラで、もう限界」、「強引な営業方法でノルマはこなせてるけど、顧客のためになっているのか疑問」。不動産仲介の営業は心身ともに非常にキツイことが多く、入社から3年以内に辞める人が半数以上です。ですが、やみくもに転職すれば、再びブラック企業を選んでしまうリスクや、年収が下がるリスクがあります。

ここでは、不動産仲介を辞めて他の仕事に転職したい人のために、不動産仲介からの転職におすすめの転職先と、なるべく年収を下げない優良求人の探し方を紹介します。

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不動産仲介を辞めたい理由は?

毎月のノルマがキツイ

不動産仲介を辞めたい理由NO.1は、ノルマがキツイことです。売買であれば月2件くらい、賃貸であれば繁忙期は月150万円程度、暇な時期でも月60~80万円程度のノルマが課せられます。

家は一生に一度買うか買わないという商材なので、そう簡単に買ってもらえるものではありません。さらに、大抵の顧客は複数の不動産屋を見て回るため、よその不動産屋で契約されてしまうことも多く、賃貸でも成約にこぎ着けられるのは、せいぜい30~40%の顧客です。

ですが、売れない事情などお構いなしに、上司から「ノルマ、ノルマ」と追い立てられるため、片ときも気が休まりません。

上司からのパワハラが辛い

不動産業界は荒っぽい職場も多く、特に営業職は攻撃対象になりやすいです。ノルマが達成できないとなれば、人格否定などの言葉の暴力を振るわれ、精神的に追い詰められてしまうことも珍しくありません。

デスクや椅子を蹴るなどの荒々しいパフォーマンスが繰り広げられるケースも多く、暴言だけで済んでいれば、まだマシな方と言えるありさまです。

ノルマをこなせている営業マンであっても、いつ契約が取れなくなるか分からないため、どれだけ成績を上げても安心できません

オートロックが当たり前の時代で飛び込み営業が難しい

厳しいノルマを消化するには、新規顧客の開拓も必須です。しかし、今はマンションに住む人が多く、オートロックが当たり前の時代なので、なかなか営業させてもらえません。玄関を開けてもらうのが難しいだけでなく、ポスティングすらさせてもらえないことも多いです。

たまに堂々とポスティングできる場所があっても、貧乏学生が住むような安アパートだったりするので、なかなか反響営業には繋がりません。

珍しく住人を捕まえられたとしても、「しつこい!帰れ!」と怒鳴られることもしばしばです。

ノルマをこなせないと給料が安く、いつクビになるか分からない

ノルマが達成できない月が続くと、クビや自己都合退職に追い込まれる事態にもなります。自己都合退職に追い込まれる場合は、人格否定などの精神攻撃で追い詰めていくため、うつ病などの精神疾患を発症してしまう人もいます。

デキる営業マンでも、いつ自分の番が来るかと、内心は戦々恐々です。

不動産仲介は基本給が安いので、契約が取れない月の給料は15~20万円程度です。退職に追い込まれないまでも、生活がかなり苦しくなります。

労働時間が長く休みがない

顧客とアポが取りやすいのは日中なので、昼間は営業に出掛けなければならず、夜に会社に戻ってからも、報告書の作成などの事務作業をしなければなりません。

売れる営業マンは抱えている仕事量が多く、売れない営業マンは早く帰ると気まずいため、売れても売れなくても終電近くまで帰れないのが日常です。担当する顧客によっては、夜遅い時間でないとアポが取れない場合もあります。

さらに、顧客の都合に合わせて動かなければならないため、休日に営業に行かなければならないことも多く、休みはほとんどありません

たまに休めても、顧客からひっきりなしに電話が掛かってくるので、完全なプライベートは確保しにくいです。

クレーマーへの対応が辛い

不動産仲介の営業をしていると、タチの悪い顧客に当たることもありますが、理不尽なクレームにもしっかり対応しなければなりません。

特に、不動産販売の場合は、家が売れた後も、物件のメンテナンスやリフォームなどもあるため、嫌な顧客であっても長年に渡って付き合い続けなければなりません

売り上げ優先の無茶な営業方法が辛い

厳しいノルマを達成するためには、顧客の利益よりも売り上げを優先しなければならないため、嫌がる顧客からゴリ押しで契約を取る・1日に何回も同じ顧客に電話攻撃をするなどの、無茶な営業方法を強いられることになりがちです。

その結果、成績のよい営業マンであっても、人としての自分のあり方に疑問を感じ、不動産仲介の仕事から去っていくケースも多いです。

職種を変えたくてもスキルアップする暇がない

不動産業界の他の職種は資格が必要なものが多いですが、資格を取って職種を変えようにも、現職が忙しすぎて資格の勉強をする暇がなく、八方塞がりです。

不動産仲介から異業種に転職、おすすめの転職先は?

年収を下げたくないなら、不動産仲介の経験やスキルを活かせる転職先を選ぶ

不動産仲介の営業職はインセンティブが高いため、現職で多少なりとも契約が取れている人の場合は、他の仕事に転職すると年収が下がりやすいです。

特に、これまでのスキルや経験が役に立たない転職先を選んでしまうと、完全に未経験転職なるため、大幅に年収がダウンしてしまいます。

なるべく年収を下げずに他の仕事に転職するには、自分のキャリアと求人がマッチする転職先を選ぶことが最重要です。

不動産仲介を辞めたい人には、不動産仲介での経験やスキルが活かせて、現職を辞めたい理由を解決できる転職先を選ぶのがおすすめです。

同業他社の不動産仲介営業に転職

不動産業界はブラック企業が多いイメージがありますが、ホワイト企業も存在します。「不動産仲介の仕事自体は嫌いじゃないが、今の勤務先がブラック企業だから辞めたい」という場合は、ホワイト企業に転職して不動産仲介の仕事を続ける方法もあります。

現職の経験とスキルをそのまま活かせるので、年収が下がりにくい転職先としてはもっともおすすめです。不動産仲介営業は採用のハードルが低いため、転職先も見つかりやすいです。

今の勤務先で他の職種に異動

「他の職種なら今の勤務先でもよい」という人の場合は、現在の勤務先の中で、他の職種に異動させてもらう方法がおすすめです。

他の企業に転職するよりも実現しやすいので、直属の上司に相談してみましょう。ただし、同じ勤務先でも他の職種はインセンティブがないので、年収は下がりやすいです。

同業他社の異職種に転職

「今の会社も嫌だし不動産仲介も嫌だが、不動産業界には抵抗がない」という場合は、同業他社の異職種に転職するのがおすすめです。

不動産業界の知識は活かせるので、業種・職種の両方を変えるよりは採用されやすいです。インセンティブがなくなる分、年収は下がりますが、異業種・異職種に行くよりは大幅な年収ダウンは避けやすいです。

保険会社など他業種の営業職に転職

「不動産業界はもう嫌だが、個人相手の営業は嫌いじゃない」という場合は、保険会社などの他業種のB to Cに転職する方法があります。

B to C営業はどの業界でもノルマがありますが、家を売ったり貸したりするよりは営業のハードルが低いため、不動産仲介を経験している人から見たら、ずいぶん簡単です。

また、営業の中でも不動産仲介は特に難しく、不動産業界で営業をしていた人であれば、だいたいどの業界の営業でも歓迎されます。扱う商材は違っても、これまでの個人相手の営業スキルも活かせます

インセンティブがつくので、年収も下がりにくいです。

メーカーなどの法人営業に転職

「プライベートが確保できるなら営業職でもよい」、「ノルマがゆるければ営業職でもよい」という人は、メーカーなどの法人営業に転職するのがおすすめです。個人が相手のときよりも仕事は複雑になりますが、不動産仲介での営業経験が活かせます

基本的に担当企業の営業時間に合わせて働くため、個人が相手の営業に比べて勤務時間が短く、休みもほぼ勤務条件通りに取れます

ノルマも個人ごとではなく、チームとしてのノルマなので1人で達成する必要がなくノルマの数値も実現可能な数値が設定されることが多いです。

法人営業の中でも、ルート営業の場合は新規開拓もありません。また、個人営業よりも法人営業の方が年収が高い傾向があります。

不動産仲介からの転職で年収を下げない優良求人の探し方

不動産仲介からの転職で、自分のキャリアにマッチした求人を探し、年収を下げないためには、求人探しは転職エージェントを利用するのがおすすめです。

転職エージェントは求人サイトなどとは違い、キャリアカウンセリングが受けられるので、スキルの棚卸しをした上で、自分のキャリアにマッチする優良求人を紹介してもらえます。

求人企業の詳しい内情も教えてもらえるので、ブラック企業を選んでしまうリスクや、入社後のミスマッチも防げます

また、年収交渉が必要な場合もプロが代行してくれるので、自分だけで動くより年収が下がりにくいです。

選考通過のためのサポートもあり、異業種や異職種への転職も有利に進めやすいです。

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リクルートエージェント

業界最大手の転職エージェントで、幅広い業種・職種の求人が豊富です。全国対応なので地方の求人もあります。大手企業を中心とした良質な求人が多く、非公開求人も約20万件を保有しています。

転職支援実績が豊富で、異業種・異職種に転職した事例も数多く取り扱っているため、不動産仲介から他の仕事に転職したい人にもおすすめです。

サポート力が高く、求人提案力も高いので、キャリアにマッチする求人を色々と提案してもらえます。年収交渉も得意です。

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まとめ

住宅営業を辞めて転職したい人は、以下の仕事に転職すると、現職の経験とスキルを活かせるので年収が下がりにくいです。

・同業他社のホワイト企業の不動産仲介
・今の勤務先の他の職種
・同業他社の異職種
・保険会社など他業種の営業職
・メーカーなどの法人営業

もっともおすすめなのは、同業他社のホワイト企業で不動産仲介を続ける方法です。現職のスキルと経験をそのまま活かせるので、もっとも年収が下がりにくいです。