「女性秘書って憧れる。未経験から秘書になる方法ってないの?」、「秘書になって経営者を支える仕事をしたい」
この記事では、未経験から秘書になりたい人のために、未経験から秘書になる方法をまとめました。秘書の仕事内容や、秘書になる方法について詳しく解説しています。
秘書の採用に有利になる資格、失敗しない転職先の選び方や未経験OKかつ条件の良い秘書の求人を見つける方法も紹介しているので参考にしてください。
秘書の仕事内容・年収・将来性は?
秘書が活躍できるフィールドは広い
一般企業・外資系企業
秘書の最も一般的な勤務先として思い浮かぶのは「企業」です。
ただし、企業とひとくちに言っても、秘書が求められるのは中小企業ではなく、大企業や外資系企業であるケースが多くなっています。
大学・研究所
大学でも教授クラスになると、個人的に秘書を雇っていることがあります。授業のスケジュール管理を行ったり、全国、もしくは世界各国の学会に同行したりする、教授の秘書として活躍できます。
また、研究所の研究員の中でも上役になると秘書をつける人も珍しくないため、研究所も秘書の勤務先に入ります。
法律事務所・議員事務所
法律事務所では、1日に多くの案件を抱え、全国各地を飛び回っている弁護士を支える秘書として活躍できます。来客の対応や相談者のアポイントメントの把握、対応、書類作成などの雑務を行います。
また、国会議員や地議会議員の秘書として、議員を支える秘書もいます。
秘書の仕事内容は、上司専属の調整・庶務など多岐にわたる
スケジュール管理・調整
秘書のメインの仕事は、上司のスケジュール管理・スケジュール調整です。
多忙な上司のスケジュールを細かに管理し、上司の希望があれば、仕事の重要度や取引先との関係を考慮した上で調整を行うのも秘書の仕事です。
宿泊や航空券の手配
急な国内・国外の出張が頻繁に発生する人ほど秘書を雇っています。そのため、上司の希望に合わせて宿泊先の予約・キャンセルを行ったり、航空券や新幹線のチケットを予約・キャンセルするのも秘書の仕事です。
宿泊先は〇〇県なら××ホテルがいい、などの上司のこだわりがあれば、なるべくそれに沿う心配りも求められます。
メールや手紙のチェック
「親展」という表記がないものに関しては、封書を開封して中身をチェックし、重要度によって仕分けを行うのも秘書の仕事です。
「親展」の封書は開封せずに上司に手渡します。
また、受信したメールのチェックも行い、重要度の高いものにはフラグをつけたり、迷惑メールは削除することも仕事のひとつです。
会議の資料作成
秘書の仕事の中でも実力が問われるのが、この資料作成の仕事です。
上司のニーズを最小限の発言から把握し、期日よりも早く上司に提出することが求められます。
会議の成否がかかっている書類でもありますから、ビジネススキルが顕著にあらわれる腕の見せ所です。
来客対応
訪問希望者のアポイントメントの受付と来客時の対応も秘書の仕事の1つです。秘書の振る舞いは、訪問者が上司に対して抱く印象に大きく影響を与えてしまうため、正しいマナーで迎えることが大切です。
また、訪問者とのやりとりの補助的役割を担うこともあり、会議に同席することもあります。
秘書の労働時間は、上司次第。残業が多いことも
秘書の労働時間は、ほぼ上司の労働時間に依存します。上司よりも早い時間に出勤し、そして上司よりも遅く退勤するのが基本です。
そのため、求人に「実働8時間」などと記載されていたとしても、上司が定時で帰らなければ、秘書も上司よりも遅くまで残る必要があります。
残業時間は月に20~30時間が目安ですが、上司が仕事熱心で残業の多い人の場合、もっと長時間の時間外労働が発生することになります。
秘書の年収は、「経験値」で決まる
未経験の場合、年収は低め
どの企業でも、スキルや経験は大きな評価基準です。未経験者の場合は、スキルも経験もほぼない状態で入社するわけですから、対価も高くはありません。
そのため、未経験の場合は、250万円前後の年収となります。
経験値の高い人は年収も高い
秘書の調整能力や管理能力は、実務経験によって培われるものです。
そのため、勤続年数10年以上の秘書の場合は、年収500万円以上を実現している人も少なくありません。
派遣でも経験値が高ければ高時給で高収入
秘書の仕事は、正社員ではなく派遣や契約社員という雇用形態のケースも多くなっています。
その中でも、派遣社員の場合、時給が1,500円~2,000円と、かなりの高時給となっています。
派遣であっても、1日8~10時間勤務すれば、日給は8,000円~10,000円。月収にすれば250,000円ほどの高収入が可能です。
秘書と一般事務の違い
上記のような仕事内容だけを見ていると、「一般事務と対して変わらない」という印象を抱くかもしれません。
しかし、一般事務と秘書とでは、「誰のために動くのか」という点において、決定的な違いがあります。
会社全体のために動くのが一般事務
一般事務は、書類作成や電話応対など、秘書の仕事と似ている点があります。しかし、このような仕事は、すべて「会社の仕事が円滑に進むため」のものです。
特定の誰かのために動くのではなく、営業部、総務部、人事部など、企業の各部署の業務がより円滑に行えるよう、雑務と思われる仕事も担います。
社内の自販機の商品が売切れたら、業者に連絡して来てもらったり、印刷機のトナーの交換をしたり、雑用も数多くこなします。
上司のために動くのが秘書
一方で、秘書の仕事はかなり明確で、上司(ボス)となる人物が少しでも仕事に専念できるよう、本来上司がすべきことであっても徹底的にサポートします。
上司の庶務はすべて秘書が担当しますが、一般事務と違って、上司と関係のない業務には携わることはありません。電話応対はしますが、それは上司のスケジュール管理のためですし、書類作成も上司の仕事時間をできるだけ割かないようにするためです。
同じような仕事をしているように見えて、秘書と一般事務では誰のために動いているのかという点で、仕事内容も異なるのです。
未経験から秘書になるには
秘書の新卒採用はあまりない
秘書には、高度なビジネスマナーと教養が求められます。加えて、業界知識や会社の事情や業務内容について詳しくなければ、上司をサポートできません。
入社したばかりの新卒社員では、秘書としての役割や業務をこなすことは難しく、入社後すぐに秘書として配属されることはあまりありません。特に、役員クラスの秘書になると、事務職などで経験を積んだ後に秘書室に異動するなどが一般的になります。
中途採用の場合は経験者が優遇
中途採用から秘書を目指すことも可能ですが、やはり「秘書」としての経験がある人が優遇されます。稀に、未経験OKでの募集はありますが、一般事務や広報、人事などの経験が条件となっていたり、秘書検定や英語のスキルを持っていることが条件であるケースも多いです。
また、外部から秘書を採用していない企業も多く、そのような企業では、受付や人事、経営企画などの業務をへて、秘書に配属される可能性があります。
未経験から秘書を目指すなら、一般事務や人事、経営など携われる部署で経験を積み、社内での人事異動で秘書を目指す方が確実性が高いでしょう。
秘書に求められるスキル
気配りができること
秘書にとって最も必要なスキルは、「言われる前にニーズを理解し、行動に移す」ことです。
つまりは、気配りができることなのですが、このスキルはただ単に空気を読むのではなく、「上司が昨日●●様との契約を交わしたから、明日はこの書類が必要だな」というように、上司の行動や予定と、次に求められる仕事を予測し、あらかじめ用意しておくことが求められます。
ビジネスマナー
美しい敬語を使いこなせるのはもちろんのこと、社内文書・社外文書をテンプレートなど見ずに完璧に作成できるスキルは、秘書にとってとても大切です。
また、タクシーに乗る際の自分と上司の位置、エレベーターに乗る際の上司と自分の位置など、細かいけれど見る人が見ればわかるようなビジネスマナーも完璧にこなせるスキルが求められます。
語学力
秘書なら日本語だけではなく、外国語力についてもある程度のスキルが必要です。
上司の仕事が国内に限定したものではなく、海外との契約が発生している場合は、秘書が取引先との連絡調整をすることもあります。
電話等のやりとりのための外国語でのスピーキングとヒアリング、メールを読むためのリーディングといったスキルがあれば、未経験でも採用されやすいのです。
一般常識・時事の知識
国内・国外情勢や株価の動きなど、世の中の動きについて把握しておくことも秘書の務めであり、求められるスキルでもあります。
偏った知識ではなく、幅広い分野に精通している程、その教養が上司の問題解決場面で役立つからです。
秘書の採用に有利になる資格
この資格があれば秘書になれる!というような国家資格は、秘書の仕事には存在しません。
しかし、以下のような資格があることで、未経験でも採用されやすくなります。
秘書技能検定
秘書技能検定「公益財団法人実務技能検定協会」が認定する民間資格で、その名の通り、秘書としての高度な仕事が行えるかどうかを見極めるための検定です。
1級から3級まであり、3級程度なら市販されているテキストで独学で取得可能です。職務知識などの知識分野と、接遇などの実技分野にわかれています。
2級以上の資格があると、未経験でも秘書として採用されやすくなります。
CBS(国際秘書)検定
CSBとは、「一般社団法人日本秘書協会」が認定する、バイリンガル秘書の能力を証明する資格です。外資系企業の秘書や、外資系企業と取引のある企業の秘書を目指している人は、取得していると採用時に有利になる可能性があります。
ビジネスの場にふさわしい日本語と、英語の両方の能力が問われる試験で、経営管理の知識も試験内容に含まれているため、専門性の高いビジネススキルが求められる資
TOEIC
海外との取引のある上司の秘書になりたい場合は、英語力を測定するTOEICの資格があると有利です。
TOEICの中でもスピーキングのスキルが実証できるTOEIC Speaking Testや、TOEIC S&W(Speaking & Writing)などの資格において、最近でも高スコアを有している場合は、即戦力として「使える」資格としてみなされるため、未経験でも採用されやすくなります。
PCスキルが証明できる資格
秘書を行う上で、一般的なパソコンスキルは持ち合わせていた方が良いです。
ワープロ検定や、MOS(Microsoft Office Specialist)など、複数の検定や資格がありますが、どの資格であっても、書類作成に必要なスキルがあることが証明できる資格であれば、採用に有利になります。
秘書で未経験採用されやすいのは30代後半まで
秘書と言っても、実際に雇用する上司の希望によって、採用範囲となる年齢にはかなりの差が出てきます。
若くて器量のよい人と限定している上司もいれば、スキル重視で年齢は関係ないとするという上司もいます。
どちらの場合であっても、「未経験で」秘書に採用されるのは、若い方がよく30代後半が限度となっています。
スキルや経験のある秘書ならば、40代以降からも需要はあるものの、未経験の30代後半の人を教育し、高いスキルと経験値が重視される秘書の仕事に採用するのはリスクが伴うからです。
30代後半から秘書として働きたい場合は正規採用にこだわらない
それでも30代後半以降からも秘書の仕事を諦めたくない!という場合は、正社員にこだわらず、派遣社員としてならまだ望みがあります。
派遣社員の場合は、企業(上司)側から、年齢や性別、スキルや経験などの要望があって派遣されますが、「派遣なら未経験でも構わない」という企業も少ないながらに存在するからです。
未経験から秘書に転職、失敗しない転職先の選び方
選んではいけない求人の見分け方
秘書を抱えるほどの経営状況ではない業績悪化の企業
大企業なら公式webサイトにて、IR情報を見れば企業の経営状況がわかります。
業績が非常に悪化している企業で秘書になってしまうと、上司の感情状態も芳しくなく、経営難を戻そうとするがための残業も多くなり、秘書の時間外労働も増える一方のため、おすすめできません。
事業所が少ない中小企業
また、中小企業で事業所が小さいのに秘書を募集している場合、実際の業務は秘書の業務にとどまらない可能性が高くなります。
一般事務、経理、広報など、給料はそのままで、たくさんの仕事がふりかかり、業務負担が大きくなった!という元秘書の人もいます。
いつも求人票に載っている
あなたがいつも見る求人サイトなどに、見るたびに同じ企業の秘書の仕事が掲載されていたら、それは危険信号です。
秘書のブラック・ホワイトを決めるのは、企業というよりも上司です。いつも求人票を乗せている上司は、人格的、行動的など、何かしらのネガティブな理由があって、離れていく秘書が多いのだと考えられます。
おすすめ求人の特徴
資格手当が支給される
ブラック企業(上司)だと、どんなにたくさんの資格を持っていても、「直接部門ではないから」という理由で給与は同じまま…ということがよくあります。
でも、求人に「資格手当あり」という記載があり、さらにどんな資格にどれだけの手当がつくのかを明記しているような企業は、報酬面で苦労することはありません。
また、社員の経験やスキルに応じて給与を支払おうという姿勢が見られるため、企業としての誠実性が見て取れます。
一般事務で勤務している社員がいる
経営規模の小さな企業だと、事務として勤務している社員がおらず、秘書にほぼ全ての庶務を任せているというブラック求人もあります。
でもきちんと社内に事務局があり、一般事務員が在籍している場合、秘書にその仕事がまわってくることはほぼありません。秘書としての仕事に専念でき、その分業務負担も少なくて済みます。
未経験OKかつ条件の良い秘書求人を見つける方法
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さらにエージェント経由で転職先の内部情報を得ることができるので、転職後のミスマッチを防ぐことが可能です。
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まとめ
秘書の仕事は上司専属の調整・庶務など多岐にわたります。活躍できるフィールドも、企業だけではなく、大学や研究所、法律事務所・議員事務所などがあります。
秘書の新卒採用はあまりないのが現状です。中途採用でも、経験者が優遇される職種のため、未経験から秘書になるには、一般事務や人事、経営などに携われる部署で経験を積み、社内での人事異動で秘書を目指す方が良いでしょう。
未経験から秘書に転職するときは、業績が悪化している企業、事業所が少ない中小企業、いつも求人票に載っている企業は避けた方が失敗が少ないです。
未経験OKかつ条件の良い秘書の求人を見つけるためには、転職エージェントを利用した方が、好条件の非公開求人を紹介してもらうことができるのでおすすめです。
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