総務省統計局の調査によれば、就業者のうち転職者は1年前に比べて12万人増加(6期連続)、転職等希望者は78万人増加(10期連続、過去最多)となっています。
※参考:総務省統計局労働力人口統計室「直近の転職者及び転職等希望者の動向について」(2023年12月18日)
終身雇用よりも転職によるキャリアアップが注目される傾向にある今、自分もそろそろ転職をしたいと考えている方もいるでしょう。
しかし、いざ転職活動をしてみようとしても、「何から始めていいのかわからない」「自分は実際何がしたいのかわからない」という方も多いと思います。
そこでこの記事では、転職したいと思ったらまず何をすればいいのか、転職活動の流れや転職成功のコツについて解説します。
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転職したいと思ったら何をすればいい?まずやるべきこと3つ
いくら「今すぐ転職したい!」と思っていても、何の考えもなしで転職活動を始めると危険です。
世の中に求人はたくさんあるからこそ、自分の中での転職活動の軸が定まっていないと転職活動が長期化したり、ミスマッチによる早期退職になることも。
本格的に転職活動を始める前には、以下の点について振り返ってみるといいでしょう。
- 現職への不満をまとめる
- 転職先への希望を考える
- 一時的な気持ちではないかを確かめる
現職への不満をまとめる
まずは現職に対する不満を整理しましょう。
「給料が低い」「残業が多い」「上司との関係が悪い」など、自分が感じている不満点を具体的にリストアップします。
これにより転職を考える理由が明確になり、自分にとって何が重要かを再確認することができます。
また、不満をまとめることで、次の職場で何を避けたいかが見えてきます。
転職先への希望を考える
次に、転職先に求める希望を具体的に考えます。
年収、勤務地、勤務時間、職場の雰囲気、福利厚生など、自分にとって重要な条件をリストアップしましょう。
また、キャリアアップやスキルアップの機会、ワークライフバランスなど、長期的な視点での希望も考慮することが大切です。
具体的な希望を持つことで転職活動が目標志向になり、自分に合った職場を見つけやすくなります。
一時的な気持ちではないかを確かめる
転職を考えたきっかけが一時的な感情や一時的な問題ではないかを冷静に確認しましょう。
一時的な不満やトラブルで転職を決意すると、転職先でも同じような問題に直面する可能性があります。
自分の気持ちを客観的に見つめ直し、転職が本当に必要かどうかを慎重に判断することが重要です。
もし一時的な感情であれば、現職での改善策を考える方が賢明かもしれません。
転職したい時にやるべき事前準備
転職を成功させるためには、しっかりとした事前準備が欠かせません。
転職活動はただ求人情報を見るだけではなく、自分のキャリアや希望を見つめ直し、最適な企業を見つけるためのものです。
ここでは、転職活動をスムーズに進めるために必要な事前準備を紹介します。
- 転職活動全体の流れと必要期間を確認
- 自己分析・キャリアの棚卸し
- 業界・企業研究
- 転職の軸を決める
- 履歴書・職務経歴書を作成
①転職活動全体の流れと必要期間を確認
転職活動にはどれくらいの期間が必要か、全体の流れを確認しましょう。
一般的に、転職活動は準備から入社まで3~6ヶ月程度かかります。
退職時期を決めることから始め、自己分析、業界研究、応募書類作成、面接準備と進めていきます。
スケジュールを立てることで、無理のない計画的な転職活動が可能になります。
②自己分析・キャリアの棚卸し
自己分析とキャリアの棚卸しは、転職活動の基盤となる重要な過程です。
これまでの経験やスキル、実績を振り返り、自分の強みや弱みを明確にします。
また、将来のビジョンや仕事に対する価値観を見つめ直すことで、自分に合った職場環境や業務内容を具体的にイメージできるようになります。
自己分析を通じて、自分が本当にやりたいことを見つけましょう。
③業界・企業研究
自己分析が終わったら、次に業界や企業についての研究を行います。
転職サイトやエージェント、ビジネスSNS、企業の公式サイトなどを活用し、興味のある業界や企業の情報を集めましょう。
企業の事業内容、社風、将来性、働き方などを詳しく調べることで、自分に合った企業を見つける手助けになります。
また業界全体の動向やトレンドを把握することで、選考時の自己PRの説得力も増します。
④転職の軸を決める
自身の転職活動の軸は、応募する企業を選定するための重要な基準になります。
自己分析と業界研究を基に、転職先に求める条件や希望を具体化しましょう。
例えば、年収、勤務地、勤務時間、企業文化など、自分が譲れない条件をリストアップし、優先順位をつけておくと効果的です。
転職の軸が明確になることでミスマッチを回避でき、満足度の高い転職が実現します。
⑤履歴書・職務経歴書を作成
応募書類の作成は、転職活動において非常に重要な工程です。
履歴書には、自分のプロフィールや志望動機、自己PRを具体的に記載しましょう。
職務経歴書には、これまでの経験や実績、スキルを具体的にまとめます。
特に志望企業が求めるスキルや経験に合致する部分を強調し、アピールポイントを明確にすることが大切です。
書類は使いまわしではなく、企業ごとに作成することで採用担当者の目に留まりやすくなります。
転職したい時に確認すべき転職活動の流れ
転職活動を成功させるためには、全体の流れをしっかりと把握しておくことが重要です。
具体的なステップを知っておくことで、計画的に準備を進めることができます。
ここでは、転職活動の基本的な流れを紹介します。
- 軸に合った企業の求人を探し応募
- 選考・面接
- 内定手続き
- 現職を退職
- 転職先企業へ入社
①軸に合った企業の求人を探し応募
まずは、自分の転職の軸に合った企業の求人を探し、応募します。
転職サイトやエージェントを活用し、希望条件に合う企業をリストアップしましょう。
応募する際には、履歴書や職務経歴書をしっかりと準備し、企業ごとにカスタマイズすることがポイントです。
応募書類は、自分の強みやスキルを最大限にアピールできる内容にしましょう。
②選考・面接
応募書類が通過すると、次は選考と面接のステップに進みます。
企業によっては、複数回の面接が行われることがあります。
面接では、自分の経験やスキルを具体的にアピールすると共に、企業の文化や働き方が自分に合うかどうかを確認しましょう。
事前に企業研究をしっかりと行い、質問に対する準備を怠らないことが重要です。
③内定手続き
面接を通過し内定が決まったら、次は内定手続きに進みます。
内定の連絡が来たら、条件や業務内容、入社日などを確認しましょう。
条件に納得できたら、内定承諾書を提出します。
もし条件に不明点がある場合は早めに確認し、不安を解消してから手続きを進めることが大切です。
④現職を退職
内定が確定したら、現職の退職手続きを始めます。
退職日は引き継ぎや業務の整理ができるよう、余裕を持って設定しましょう。
上司や同僚に感謝の気持ちを伝え、円満に退職することを心掛けることが重要です。
退職理由は前向きな内容にし、転職の意志をしっかりと伝えましょう。
⑤転職先企業へ入社
現職を退職したらいよいよ転職先企業へ入社します。
入社日が決まったら必要な書類や準備物を確認しておきましょう。
また転職先の企業文化やルールに早く慣れるよう努め、スムーズに新しい環境に適応できるようにします。
新しい職場での第一歩を成功させるために、ポジティブな姿勢で取り組みましょう。
すぐに転職すべきではない人の特徴
転職して新しい環境で働きたいという方は多いですが、中には転職を急ぐべきではない人もいます。
転職がうまくいかない原因となる特徴を持つ人は、まずは現職での改善を考える方が良いでしょう。
ここでは、すぐに転職すべきではない人の特徴を紹介します。
- 転職の目的が曖昧
- 収入やポジションなど高望みしすぎている人
- 飽きっぽく、とにかく新しいことをしたいと思っている
転職の目的が曖昧
「なんとなく今の職場を辞めたい」と感じるだけで転職を考えるのは危険です。
具体的な理由がなく、ただ漠然とした不満だけで行動すると、転職後に後悔することが多いです。
まずは現職での不満を具体的に挙げて改善策を考えることが大切です。
それができなければ、転職先でも同じ問題に直面する可能性があります。
収入やポジションなど高望みしすぎている人
収入やポジションなど、過度に高い期待を持って転職を考える人も要注意です。
現実的な範囲を超えた高望みは、転職活動を長引かせる原因となり、結果的に不満を抱えることになります。
まずは現実的な目標を設定し、少しずつキャリアアップを図る姿勢が大切です。
飽きっぽく、とにかく新しいことをしたいと思っている
飽きっぽく、常に新しいことを求める人は、転職を繰り返す傾向があります。
これでは長期的なキャリアを築くのが難しくなります。
まずは現職で継続的に取り組むことの大切さを理解し、飽きる理由を見直してみましょう。
新しいことに挑戦するのは良いですが、安易に転職を繰り返すのは避けるべきです。
現職でほぼ定時退社ができている
現職でほぼ定時退社ができている人も、転職を急ぐべきではありません。
転職先で同じ条件を期待するのは難しい場合があります。
定時退社ができる現状は大きなメリットですので、転職したい理由をよく考え、本当に転職が必要かを慎重に検討しましょう。
初めての転職活動なら注意すべきポイント
初めての転職活動は不安がつきものです。
しかし、事前に知識を得ておくことでスムーズに進めることができます。
ここでは、初めて転職する際に注意すべきポイントを解説します。
- 就活と転職では評価されるポイントが違う
- 内定受諾の回答期限は約1週間
- 退職時期に注意
- 余裕を持った引継ぎをする
就活と転職では評価されるポイントが違う
新卒の就活ではポテンシャルや将来性が重視されますが、転職活動では即戦力としてのスキルや実績が評価されます。
そのため、これまでの職務経験を具体的にアピールすることが重要です。
特に、自分のスキルや経験がどのように企業の利益に貢献できるかを具体的なエピソードや数字で示すと効果的です。
内定受諾の回答期限は約1週間
転職活動では、内定を受諾するまでの回答期限が短いことが一般的です。
通常、内定通知から1週間程度で回答を求められます。
そのため、複数の企業に応募している場合はスケジュール管理が重要です。
希望する企業の選考結果が出る前に他社から内定をもらった場合の対応策を事前に考えておくことが大切です。
退職時期に注意
退職時期を選ぶ際は、会社の繁忙期やプロジェクトの進行状況を考慮する必要があります。
繁忙期に退職を申し出ると、職場に迷惑をかけるだけでなく、自分の評価にも影響する可能性があります。
また、引き継ぎ期間を確保するためにも、少なくとも1~2ヶ月前には退職の意思を伝えることが望ましいです。
余裕を持った引継ぎをする
退職する際には、業務の引き継ぎをスムーズに行うことが重要です。
引き継ぎが不十分だと、退職後も連絡が来たり、評価が下がることがあります。
業務内容や手順を資料化して残し、後任者に十分な時間をかけて説明することが大切です。
また、引き継ぎのスケジュールを事前に計画し、余裕を持って行うようにしましょう。
「転職したい!」と思った時に登録すべきおすすめ転職エージェント
転職を考えた時、どの転職サービスに登録するかは非常に重要です。
各サイトにはそれぞれ特徴があり、あなたの転職活動をサポートしてくれます。
ここでは、おすすめの転職支援サービスを紹介します。
- doda
- ビズリーチ
- 就職shop
doda
求人数
約260,000件
対応地域
全国47都道府県
料金
無料
公式サイト
https://doda.jp/
運営会社
パーソルキャリア株式会社
dodaはパーソルキャリアが運営する、求人数の多い転職エージェントです。
あらゆる業界や業種、職種にも対応しており、企業の規模もベンチャーから上場企業までさまざまあるので登録しておくといいでしょう。
また「未経験OK」の求人や「残業なし」、「産休・育休取得実績あり」などのこだわり条件でも絞れるため、育児と両立させたいなどライフスタイルに合わせた働き方が実現できます。
ほかにも、dodaでは全国の求人にも対応しており、Uターン・Iターン転職を考えている人にもおすすめ。
「エージェントサービス」「スカウトサービス」などもあり、「ひとりで転職するのが不安」「業界に合わせた対策がしたい」方も一貫してサポートしてくれます。
サイトには、「適職診断」「職種に合わせたレジュメビルダー」なども掲載されているのでぜひチェックしてみてください。
おすすめ記事:doda転職エージェントの評判はひどい?悪い口コミ・良い口コミを徹底分析
ビズリーチ
求人数
約10万件
対応地域
全国
料金
無料
公式サイト
https://www.bizreach.jp/
運営会社
株式会社ビズリーチ
求人数
約10万件
対応地域
全国
料金
無料
公式サイト
https://www.bizreach.jp/
運営会社
株式会社ビズリーチ
掲載している求人には年収1,000万円以上などの高収入求人が約3割あるといわれており、ポジションだと管理職やマネージャー職なども多数掲載されています。
これまでの経験やスキルを活かしつつ、年収アップ・キャリアアップを目指す人にはおすすめです。
またビズリーチには「スカウト機能」があり、経歴や希望条件を登録しておけば専門のエージェントや企業から直接オファーが来ます。
すぐに転職したいと考えていなくても、今の自分の市場価値について知れるので登録しておくだけでも便利に使えます。
ただしビズリーチは、基本的に経験者やある程度のスキルがないとオファーがこないこともあるので、全くの未経験者や異職種への転職を考えている方よりも、スキルや実績をアピールできる中堅以上の層におすすめです。
おすすめ記事:ビズリーチは無料でも使える?できることや有料プランとの違いを徹底比較
就職shop
就職shopは、リクルートが運営する若年層向けの転職支援サービスです。
特に20代の転職に強く、未経験からチャレンジできる求人が豊富です。
すべての求人が企業訪問による取材を基に掲載されており、職場の雰囲気や働きやすさについて詳しい情報が得られます。
また、書類選考なしで面接に進める求人も多く、転職活動を効率的に進めたい方にぴったりです。
転職活動中に困ったときはどうすればいい?場面別の対処法
転職活動中にはさまざまな困難が生じることがあります。
そんな時にどのように対処すれば良いのかを場面別に紹介します。
困ったときに適切な対応をすることで、スムーズに転職活動を進めることができます。
- 転職はしたいが、自分が何がしたいかわからない時
- 転職したいけどスキルがない時
- 転職したいけど時間がない時
転職はしたいが、自分が何がしたいかわからない時
自分が何をしたいのかわからない場合、まずは自己分析を徹底的に行うことが重要です。
過去の経験やスキル、興味を整理し、自分の強みや価値観を明確にしましょう。
また、キャリアカウンセリングを受けるのも一つの手です。
専門のカウンセラーがあなたの適性や希望を引き出してくれるため、具体的な方向性が見えてくるでしょう。
転職したいけどスキルがない時
スキル不足を感じている場合、まずはスキルアップを目指しましょう。
無料のオンライン講座や資格取得を通じて、新しいスキルを身につけることができます。
また、未経験歓迎の求人を探すのも有効です。
未経験歓迎の求人は新しいスキルを現場で学べるチャンスが多く、成長の機会を提供してくれます。
さらに転職エージェントを活用して、スキルアップのためのアドバイスをもらうこともおすすめです。
転職したいけど時間がない時
時間がない中で転職活動をする場合、効率的に進める方法を考える必要があります。
まず、転職サイトや転職エージェントを活用し、自分に合った求人を効率よく探しましょう。
エージェントはスケジュール調整や書類作成のサポートもしてくれるため、時間の節約になります。
また、週末や休暇を利用して面接や企業研究を行うなど、時間を有効に活用しましょう。
転職したいと思ったらまずはエージェントに相談してみよう
「転職したい!」と思ったときにすべきことや、転職成功のポイントなどについて紹介しました。
「今の職場が合わない気がする」「もっと条件のいい職場で働きたい」といった理由で、今すぐ転職したいと思う人はたくさんいます。
しかし、衝動的に転職活動をいきなり始めてしまうのはあまりおすすめしません。
なぜなら転職先が決まったとしても、根本的な原因や不満が分かっていないと、次の職場でもミスマッチになり早期退職につながる可能性があるからです。
また、現職を辞めてしまってから転職活動をするのも、経済的・精神的リスクの負担が大きいので要注意です。
転職したいと思ったら、「なぜ転職したいと思うのか」「転職先にはどんな条件を求めるのか」をまず考えてからにしましょう。
「何から始めたらいいかわからない」「自分にはどんな仕事が向いているの?」「ひとりで転職活動をするのが不安」な人は、転職サイトやエージェントもうまく活用しましょう。
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