アセットマネジメントは、株式市場をはじめとしたさまざまなマーケットで顧客から預かった資金を運用し、手数料収入を得る仕組みです。高度な専門知識が必要な仕事なので、求人が公開されているケースは多くありませんが、採用を強化している業界でもあるので、未経験者を対象としたポテンシャル採用も散見されます。
現在は違う仕事に就いているけれど、未経験からアセットマネジメントに転職したい人は、求人をしっかり見極めてチャレンジすることも可能です。
こちらでは、アセットマネジメントに未経験で転職する方法はあるのか、また、失敗しない求人の選び方についてまとめてみました。未経験からアセットマネジメントに転職を考えている人はぜひ参考にしてみてください。
アセットマネジメントの仕事内容・年収・将来性は?
淘汰が進み変化が絶えない業界地図
国内のアセットマネジメント会社は、三井住友トラスト・アセットマネジメントなどの銀行系・野村アセットマネジメントをはじめとした証券系・損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントなどの保険系・さあかみ投信など独立系に分かれます。
外資系の大手では、JPモルガンやゴールドマン・サックス、インベスコなどが挙げられます。アセットマネジメントは数が多いので、統廃合などの変革が活発に進んでいる業界です。
アセットマネジメントの仕事内容は部門によって大きく異なる
アセットマネジメントの仕事は、運営部門、営業部門、ミドル・バックの3つにわけられます。どの部門に就くかによって、仕事内容は大きく異なります。トレーダーやエコノミスト、ファンド・マネージャーなど直接的に運用に関わる部門が運営部門、営業部門はその名前の通り機関投資家などのクライアント向けに販売を担当します。
ミドル・バックは、営業戦略や提案などが主な業務です。契約処理や残高管理などの事務的な業務もあります。
年収レンジは高いけれど、実はワークライフバランスを取りやすい業界
世界各国のマーケットを常に注視する必要がある金融業界の中において、アセットマネジメントは比較的ワークライフバランスが取りやすい業界です。年収は、日系のアセットマネジメントで700万円~1000万円と会社によって差はありますが、平均的に年収レンジは高く、30代で年収1000万円を超えるレベルです。
外資系になると1.5倍近いとも言われます。ただし、日々マーケットの中で巨額の運用を任せられる精神的な負担や疲労は大きいことは否めません。
アセットマネジメントのキャリアパス、目指すはポートフォリオマネージャー
アセットマネジメントでの花形ポストといえばポートフォリオマネージャーです。投資の最終決定をする仕事です。アナリストやリサーチなどの仕事でポートフォリオマネージャーのサポートをし、段階的にキャリアアップしていきます。
アセットマネジメントからのキャリアアップとしては、投資銀行など激務の同業他社への転職は難しいですが、運用フロントでの経験を積めば、セールスなどの職種への転職は可能です。
未経験からアセットマネジメントに転職する方法
必須の資格はナシ、ただし高い専門知識が求められる
仕事内容によって必要なスキルや求められる人物像は異なりますが、証券会社など金融業界での経験は役立ちます。必須の資格はありませんが、証券アナリスト資格やMBAなどあればアピール材料になります。
また、求められる能力としては、運用に対する専門知識はもちろんのこと、営業力の強さやコンプライアンス意識の高さも求められます。
転職するなら30歳前半まで、計画的な準備が必要
ポテンシャル採用を行っているアセットマネジメントもありますが、未経験からの転職なら30代前半くらいまでが限界です。未経験からアセットマネジメントに転職したいなら、アセットマネジメント業界はどのようなところか、事前にしっかり勉強しておくことが重要です。それ以上の年齢で未経験転職するのは現実的に厳しいので、それまでにキャリアを積んで、資格を取得しておくなど計画的な行動が必要です。
金融業界で経験を積んでからチャレンジするのが賢明
全くの未経験からアセットマネジメントに転職するのは非常に可能性が低いのが現実です。アセットマネジメントの求人は一般公募されず、非公開求人としてヘッドハンターやハイキャリア層向けの転職エージェントなどを経由することが多いので、結局キャリアのある人材のところに集まります。どうしても未経験からチャレンジしたいなら、他の金融業界で勤務経験を積むのが大前提です。
グループ面接に重きをおいている
国内のアセットマネジメントの場合、新卒採用はあまりなく中途採用が多いので、求人の出る時期もまちまちです。ワークライフバランスを取りやすい環境もあり、離職者が比較的少ないので、求人に出会うにはタイミングや運もあります。面接は、グループ面接が多いのが特徴で、コミュニケーション能力や折衝能力を見られている可能性が高いです。
外資系の場合、アセットマネジメント単体ではなく、グループ全体で面接を行う企業もあるので、求人情報をしっかり確認してください。
企業ごとの特徴を把握して、それぞれに対する志望動機を準備
アセットマネジメントによって文化や採用スタンスが異なります。それぞれの求人先に合わせた志望動機を準備することが大切です。具体的な採用スタンスや志望動機を知るには、自力では限界があります。アセットマネジメントの内側の事情を知るために金融機関専門の転職サイトや転職エージェントなどを利用するのがおすすめです。
未経験からアセットマネジメントに転職、失敗しない転職先の選び方
選んではいけない求人の見分け方
未経験から転職するのは難しいアセットマネジメントですが、資格も経験も不問で未経験者歓迎、というような求人には要注意です。これは、どの業界でも共通することですが、あまりに都合の良い求人は蓋を開けてみたらブラックだった、求人票の内容と違っていた、という事が起こりかねません。客観的に求人を見極めることが大切です。
業務内容や求めるスキルなど、具体的に明示している求人がおすすめ
アセットマネジメントは、ワークライフバランスを取りやすい、と金融業界の中でも人気の高い職種です。おすすめ求人を判断するには、実際に働いている人の話や内部情報を知る転職エージェントなどの話を聞くのが一番信頼できます。
また、求人に具体的な業務内容や求めるスキル、経験などを記載されているものは、入社後の仕事についてイメージしやすく、応募する際も安心できるのでおすすめです。
未経験OKかつ条件の良いアセットマネジメント求人を見つける方法
アセットマネジメントは、専門的な知識や高いスキルを要する職種なので、ハローワークや求人サイトでは、未経験可で且つ優良な求人を見つけるのは難しいのが現実です。
転職エージェントに登録することで、好条件の非公開求人を紹介してもらえるので、登録しておくことをおすすめします。業界に精通したプロのキャリアコンサルタントに転職活動をサポートしてもらえるので、不利になりがちな未経験転職を効率的に進めていくことができるというメリットもあります。
さらにエージェント経由なら転職先の実情や内部情報を得ることもできるので、転職後のミスマッチを防ぐことができ、一石二鳥です。
リクルートエージェント
リクルートエージェントは、扱う求人の業種や職種が幅広く、未経験OKの求人も多数扱っている転職エージェントです。キャリアコンサルタントのサポート力に定評があり、面接対策や応募書類添削だけでなく、中長期的なキャリアプランの相談もできます。
サイトには、転職市場の動向や各業界の年収・仕事内容なども細かく紹介されているので、業界研究や情報収集にも役立ちます。20代~30代前半の若い世代の未経験者にも応募可能な求人が多いので、はじめての転職にも活用できます。
拠点も全国主要都市に19箇所あり全国を網羅しており、転職サポートの流れもスピーディーなので、今すぐ転職したい人も頼りになります。土日の相談が可能なのも利用しやすいです。
金融業界向けの転職エージェントをまとめています。年収アップ転職におすすめの転職エージェント、金融業界への未経験転職におすすめの転職エージェント、金融業界から異業種に転職したい人におすすめの転職エージェントを紹介しています。
まとめ
アセットマネジメントの求人は非公開になっていることが多いので、自力で探すには限界があります。知人の伝手や転職エージェントなどを活用することで、良質な求人を探すことができます。
未経験からアセットマネジメントへの転職は非常に狭き門ですが、TOEICや証券アナリストなどの資格を取得しておく、業界研究を徹底的にしておくといった事前準備によって可能性は広がります。
身の回りにあふれる情報を客観的に見極め、あこがれのアセットマネジメントへの転職を叶えてください。