新型コロナウイルス感染症の流行により、リーマン・ショック時を上回る景気後退が懸念され銀行の将来に不安を感じている方は多いと思います。
もともとフィンテック企業の台頭やAI(人工知能)による業務縮小、支店の統合・閉鎖など暗いニュースが多かったですが、コロナ倒産から貸し倒れ、感染予防からキャッシュレス・スマホ取引化などなど、様々な不安要素から実際に新型コロナの影響で転職希望者が急増しているというニュースを耳にします。
銀行員の転職理由
銀行員の実際は「経験者がお薦めしない業界ランキング」ではトップだったりします。銀行は独特な世界で、要領よく立ち回るのが苦手だったり、体育会系的な上下関係のに馴染めない人も少なくありません。第二新卒や20代のうちなら「元銀行員」という肩書は「優秀な学生だった」というイメージがありますので、ポテンシャル採用で転職は比較的容易です。
新入社員でも定期預金などの比較的ハードルの低めのノルマがあり、次第に投資信託など難しい金融商品のノルマが課せられるようになります。ノルマに追われていると事務作業まで手が回らないので、毎日残業続きとなりますし、休憩時間や昼食もろくにとれない日々が続くことも多々あります。
人間関係は昔ながらの閉鎖的環境で、飲み会や上司から誘い、プライベートの付き合い(奉仕作業)などが横行する「縦社会」「村社会」です。ストレスフルな状態に陥り、身体を壊すだけでなく、うつ病などで心身ともに壊してしまう人も少なくありません。
飲み会も、体育会系ノリの飲み会文化と接待で中小企業の営業よりも酒の席が多く、アルコールに弱い人は追い詰められて、下戸にとっては地獄のようなアルコールハラスメントも多々あります。大手銀行なら転勤もつきもので、転勤したくないからという理由で退職を選ぶ人もいます。
なぜ銀行に就職したのか?なぜ退職・転職したいのか?
何か一番辛いのか?
じっくり考えてみてください。
銀行員の転職先はどこが多いの?
銀行員の転職先のイメージは、同じ金融業界を想像する人が多いでしょう。証券会社、保険会社、投信運用会社というような、金融系の機関を思い浮かべがちですし、転職先の候補としては現実的です。ただし、金融以外の他業界に転職する人も多いですし、若いうちはとくに多くの業界から引く手あまたです。
基本的に金融系、特に大手銀行に就職した人は、学歴もあり、俗にいい大学を出た優秀な学生、高スペックだった人でしょう。固い会社(銀行)に就職していたということは、家庭環境や実物背景などに関してもチェック済みと想像される側面もあります。つまり元銀行員というだけで、一般的な転職者よりも企業にとっては高スペックでイメージの良い人材なのです。
銀行員は、特にビジネスマナー研修が充実しているので、第二新卒や若年層枠では、非常に期待値は高くなります。更に数年の経験があれば、数字に強い、基本的な商慣習を習得しているされ、評価も高くなっています。
30代になると風向きは変わってきますが、20代のうちはポテンシャル採用として、他業界からも期待され転職も難しくありません。
銀行員からの転職先としては、銀行時代のスキルや担当、得意分野によって展望が大きく変化します。
営業が得意だった男性は金融業界へ営業職として転職するケースも多いですし、事務作業を担当していた女性は事務職に転職する人もいます。その他信用金庫やノンバンク、リース、クレジットカードなど、なんらかの金融と関わっている業界に転職するケースが多いです。
銀行員におすすめの転職先
証券や保険商品などの営業に長けていた人は、外資系の保険会社や大手証券会社に転職して、年収が格段にアップしたというケースも多いです。金融業界以外では、キャリアやスキルを生かして新たな活躍の場を広げる人も少なくありません。営業が得意な人の場合は、不動産業、車のディーラー、ソリューション営業などで活躍する人もいます。
銀行時代に取得したファイナンシャルプランナー資格を活かした、コンサルティング会社なども代表的な転職先です。事業再生や、M&Aアドバイザリー、経営管理や財務部門などで手腕を発揮する人材もいます。ベンチャー企業のスタートアップなどで、管理部門や経営管理の分かる人材を求めていることも多々あります。
銀行員や金融機関出身者は、数字周りに強い人が多く、常にリスク管理ができる人も多いので、管理部門系に重宝されています。上場した企業で管理部門を担当している役員は、金融機関出身の方が多いのも事実です。
銀行員の転職活動のポイント
銀行員の仕事は厳しいので、転職する人、出向や転籍になる人も多く、定年まで勤め上げる人はほんの僅かです。銀行員の転職市場での価値は高いですが、離職期間が長くなるのは不利です。リストラや転勤などで慌てて転職先を探すのではなく、在職中からしっかり準備しておくことが銀行員の転職には重要です。
銀行員の転職活動のポイントとしては、自己分析と自身の将来に関して方向性を明確にしておくことが必要です。退職の理由や転職先に求めるモノを整理して、しっかり優先順位をつけておかないと迷いが出て「志望動機が不明瞭」とみなされます。
自らのウリのとなるスキルも、ハッキリさせておくべきです。財務分析経験や法人営業経験、業績不振先の対応経験・不良債権処理の経験、経営企画、事務企画、業務企画経験などなど。キャリアコンサルタントとのカウンセリングによって、曖昧だった部分が明確になってくることも多々あります。
銀行員が後悔のない転職をしたいなら、転職エージェントに相談するのが一番でしょう。
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