幼稚園教諭から転職するなら、どんな仕事がおすすめなのでしょうか?
ここでは幼稚園教諭を辞めたい人向けに、幼稚園教諭の経験を生かせるおすすめの職種と、幼稚園教諭から転職できる異業種の転職先を紹介しています。
また、幼稚園教諭を今すぐ上手に辞める方法も併せて紹介しますので、もう幼稚園教諭を辞めたいと考えている人は、参考にしてみてください。
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幼稚園教諭を辞めたい理由は?
給料が安い
対象は幼児とはいえ、「教育機関」であるにもかかわらず、幼稚園教諭の給料は平均で300~350万円で、決して高いとはいえません。
それだけではなく、園内で身につけるジャージや、エプロンは自腹で購入します。
1着では汚れた時に洗濯できないし、何よりも子どもたちや同僚の幼稚園教諭に「先生だけいつも同じエプロンだね」なんて指摘されたくないので、何着も購入することになります。
エプロンは3000~4000円くらいするのに、定期的に買い換えていたら、ただでさえ少ない給料がなおさら少なくなってしまいますよね。
サービス残業、持ち帰りの仕事あり
幼稚園教諭は子どもを帰してからも、指導計画の作成、クラス掲示物の作成、おたよりの作成などの保育以外の仕事がたくさんあって、定時であがれる人はなかなかいないという現状です。
ひどい園だと、定時が17時なのに、会議が17時から始まり、それ以降どれだけ会議が長引いても残業代が支給されないというブラック企業のような職場環境が当たり前のようになっています。
会議が長引けば、その日作成するはずだったおたよりなどは自宅に持ち帰って、帰宅後にパソコンとにらめっこ…という日が珍しくありません。
休日がなかなかとれない
幼稚園では、子どもたちは土日の保育がないためにお休みすることが多いのですが、実は土日に行事が結構頻繁にあり、なかなか休みをとることが難しいものです。
春は運動会、夏は夏季保育、秋は作品展、冬はクリスマス会…というように、保護者が参加しやすいよう、行事がだいたい土日のどちらかに設定されているため、幼稚園教諭の休日はつぶれてしまうことが多いのです。
さらに幼稚園には保護者会があり、役員会が月に1度くらいのペースで土日のどちらかに行われています。
すべての幼稚園教諭が出勤する必要はありませんが、持ち回りで役員会日の出勤がまわってくるので、さらに休みにくい状況になってしまうのです。
1人になる時間がない
普通のOLなら、お昼は外でランチをしたり、社内デスクでネットやスマホを見ながらゆっくりと食べることができますが、幼稚園教諭はそうはいきません。
子どもがいる時間帯は、職場環境が子どもとすみわけられないために、常に子どもたちと一緒に過ごします。
給食やお弁当は必ず子どもたちと一緒に食べるし、保育時間内は常に子どもと一緒で気が抜けません。
保護者からクレームが来る
そもそも幼稚園に子どもを通わせている保護者は、専業主婦やパートタイムで子育てに熱心な保護者であることが多く、それだけに幼稚園教諭の動向や、幼稚園の経営などを細かくチェックしている人が多くいます。
一番多いのは、園児同士のケンカについてのクレームです。
「あっちが先に叩いたと、うちの子は言ってます」「この前の注意してくださいとお願いしたのに、なぜ改善されないのですか」というクレームが来ます。
しかし、1クラスに何十人もいる幼稚園で、叩く前にそれを制止するのは困難です。
それでも、すべては幼稚園教諭のせいになってしまうので、クレームは幼稚園教諭にとって大きなストレスになってしまうのです。
女性ばかりの職場の人間関係
幼稚園教諭に限ったことではありませんが、女性ばかりの職場は風通しが悪く、マウンテイングのとりあいで、ギスギスした人間関係になりやすいものです。
幼稚園教諭(園長などの管理職を含む)のうち、男性の割合は、わずか7~8%ですから、ほとんどの幼稚園教諭が女性なのです。
「○○先生のほうが××先生より先に結婚した」、「△△先生が園児の父親と休日に歩いていた」というような噂話も多く、その場にいない先生の悪口を言うような環境の幼稚園もあるのです。
担任がしたいのに、任せてもらえない
担任の仕事をしたいのに、副担任や未就園児教室の仕事に配置され(その逆もあり)、なかなか思うような人事をしてもらえないことは、多くの幼稚園教諭の共通の悩みではないでしょうか。
多くの幼稚園では、人事を決定するのは園長・副園長の会議、もしくは園長のワンマン人事となるため、要望を聞き入れてもらいにくいのです。
幼稚園の教育方針が自分に合わない
同じ幼稚園でも、幼児英語教育に熱心だったり、裸足で生活して体を動かすことに熱心だったりと、園の教育方針にはかなりのバラつきがあります。
就職・転職活動時に園の教育方針にほれ込んで入ったのに、園長が替わったなどの理由で教育方針が転換され、まったく自分に合わない方針だと、やる気も失せてしまうでしょう。
最近では「叱らない保育」が流行していますが、自分としては「いけないことは叱って覚えさせたい」と思っていれば、叱りたい気持ちを抑えてニコニコしていることに、内心腹が立っている幼稚園教諭も実際にいます。
幼稚園教諭からの転職先におすすめの職種は?
別の幼稚園に転職
現在の幼稚園に不満があって転職する場合、今の職場の悪いところが改善できるようなところ、自分の考え方にあったところを選ぶことをおすすめします。
人間関係に悩んでいるなら、風通しのよい職場へ。
学習がメインの教育方針が合わなくて悩んでいるなら、遊びから学ばせる教育方針の職場へ。
あなたが今持っている不満が、転職先を探す大きな手がかりになるのです。
保育士として保育園へ転職
現在幼稚園に勤務している場合、大学や短大、専門学校で「幼稚園教諭」と「保育士」の資格の両方を取得している人が多いでしょう。
職場を幼稚園に限定することで転職が決まりにくくなっているなら、保育士の免許を利用して保育園で働くという選択肢もあります。
認定こども園に転職
幼保一元化が実現した認定こども園は、まだ数は少ないものの、施設も新しく、職員もスタートメンバーなので(元々あった幼稚園・保育園をこども園にしているところもありますが)、転職した後に馴染みやすいというメリットがあります。
また、認定こども園の場合は、幼稚園や保育園よりも賞与の割合が高い施設が多く、賞与がアップすることも大きなメリットとなります。
企業内保育所・院内保育所
保育士の資格を活かせば、求人数は少ないものの、一般企業や病院の保育所や、美容室、ホテルや旅館などの預かり保育も転職先の選択肢に入れることができます。
企業や病院の保育所は預かる園児の人数が少ないこと、残業少ないこと、休みがとれることなど、条件がよいのも注目すべきポイントです。
企業や病院は福利厚生もきっちりしているので、結婚後も働けますし、一部の施設では保育士の資格が必須ではないところもあるので、間口が広くなっています。
また、企業や病院の保育士の求人は、一般的な保育園よりも給与が高いのも嬉しいポイントです。
幼稚園教諭は持っているけど、保育士の資格がない…またはその逆で保育士の資格はあるけど幼稚園教諭の資格がない…ということで転職に困っている場合、国の資格取得支援の制度を利用することによって、通常時よりもカンタンに資格を取得できます。
他にもある!幼稚園教諭の免許が活かせる転職先
・産婦人科で新生児の世話をする仕事
・学童保育での児童を対象とした保育
・特別支援学級での学習支援
・子ども向け習い事の講師
これらの仕事も、今持っている保育士・幼稚園教諭の資格が活かせる転職先です。
幼稚園教諭の経験を生かせるより良い条件の求人を見つける方法
幼稚園教諭としての経験を生かせる求人を見つけるなら、保育士・幼稚園教諭専門の求人サイトがおすすめです。保育士資格や幼稚園教諭の免許を生かせる求人は、一般の転職サイトなどにはほぼ掲載されていません。幼稚園教諭・保育士専門の転職求人サイトは求人が豊富なだけでなく、キャリアコンサルタントに今後のキャリア相談もできます。また、転職前に職場見学できたり転職先の情報も得られるので、転職の失敗も未然に防ぐことができます。
保育士さんが認める保育士ワーカー
保育士ワーカーは、幼稚園はもちろん、認定こども園、認可保育園、無認可保育園、準認可保育園、託児所、学童保育まで、全国のさまざまな保育士関係の求人を提供している保育士・幼稚園教諭専門の転職サイトです。
特徴的なのは、今抱えている「悩み」から求人を検索できる機能です。
“人間関係が大変”“給与が少ない”“休みがとりにくい”といった悩みから、求人を検索できるので、現在働いている幼稚園での悩みを解消しつつ、幼児教育のプロとして活躍できる求人を見つけることができます。
全国の保育施設、関連施設の求人を多数取り扱っていて、全国10拠点の営業所で日本中の保育士さんの転職サポートを行っています。
※資格を保有している方のみご利用できます。
保育士に人気の転職サイトの評判やおすすめの転職サイト・転職エージェントのランキング、転職サイトを一覧で比較した表をまとめています。保育士からの転職、保育士への転職を考えている人は参考にしてください。
幼稚園教諭から全くの異業種に転職するなら?
事務
幼稚園教諭の悩みのタネになりやすいことが、すべて解決できる可能性があるのが事務職です。
事務仕事に携わるのは女性に限らず男性も多いため、女性特有の人間関係が改善できます。
また企業にもよりますが、土日が休みで、残業も少なく、プライベートを充実させることもできるでしょう。
幼稚園や保育園と違ってデスクワークですから、体力を使うこともありませんし、労務や会計以外は未経験でもOKの求人もあるため、転職のしやすさもメリットとして挙げられます。
コールセンター
コールセンターは人によって合う・合わないの差が大きな仕事です。
ストレス耐性があって、電話で人と話すことが好きな人にとってはよい転職先だといえます。
また、座りっぱなしで仕事ができるので、体力を消耗することもありません。
人数勝負で人の入れ替わりが多いことから、求人が多く出回っているため、転職で困った時には候補として覚えておいたほうがよいでしょう。
保険営業
コミュニケーションスキルが高く、積極的に人に話しかけられるような人は、生命保険などの営業職が向いているでしょう。
保険会社は基本給は幼稚園教諭と大差ありませんが、インセンティブがつくため、契約本数に応じて給与が高くなるというシステムです。
ただし、営業職にはつきもののノルマがあるため、「安定」「確実」を重視する人には不向きですが、「挑戦」「成長」を重視する人には向いている転職先です。
介護
デイサービスなどでは、無資格でも介護職になれることや、求人数の多さから、ハードルの低い転職先となっています。
ただし給与は低いですし、単純に幼児よりも高齢者相手のほうが体力を消耗しますから、体力に自信のある人にはおすすめの転職先です。
子ども服販売
百貨店などで子ども服店での販売職という選択肢もあります。
人間関係が悪くなることもなく、子どもの相手がうまければ、売り上げアップにも貢献できるため、やりがいを感じることができます。
デパートやテーマパークなどの託児所
保育士の資格があれば、デパートやショッピングモール、遊園地などのテーマパークにある託児所での保育という仕事にも転職できます。
また、フォトスタジオでは撮影前後の子どもの相手をする仕事でも活躍できます。
どちらの仕事も保育士もしくは幼稚園教諭の資格があれば待遇もよくしてもらえる場合が多いため、おすすめの転職先です。
幼稚園教諭を今すぐ辞めたい人が円満に辞める方法
円満に辞めるには年度末まで担任をやり遂げるのがおすすめ
幼稚園教諭の中でも、特に担任を務めている場合、年度途中で退職すれば、園児や保護者も不審に思うだけではなく、ようやく担任に慣れてきた年少児などの心理面にも負担を与えてしまいます。
あなたの人生はあなたのものですが、できるだけ周囲にかける負担や迷惑は少なくしたいものですよね。
また、年度末で退職することには、あなたや他教諭だけではなく、園としてもメリットがあります。
園の採用活動時期に合わせて退職すると、保育園側は穴埋め人員が確保できるため、できるだけ園の経営にも負担をかけずに円満に辞めることができるのです。
どうしても今すぐ辞めたいとき退職理由を工夫する
年度末退職が理想的だとはわかっていても、どうしても人間関係に耐えられない!ちょうどいい転職先を見つけたけど、採用までに時間がない!という場合は年度途中での退職を希望する人もいるでしょう。
そのような場合は嘘をつくのも仕方がありません。
体調不良、夫の仕事の都合、親の介護などの理由をつけて退職を申し出ましょう。
ただし、年度途中の退職は、あなたが辞めた分の仕事が周囲の同僚に分担されるわけですから、きちんと引継ぎをして辞める、事前に引継ぎ資料を準備しておくようにするとなおよいでしょう。
退職理由は自分自身に原因があることを強調する
今すぐに円満退職を実現するためには、できるだけ周囲を責めず、自分に責任があるという理由にする必要があります。
「人間関係が苦痛で…」「園の教育方針が合わなくて…」など、園や周囲の職員のせいにしてしまうと、円満退職は遠のき、ケンカ別れになってしまいます。
そうならないためにも、「体力が続かず、子どもや職場の仲間に迷惑がかかる」などのように、自分自身に原因があることを強調しましょう。
まとめ
幼稚園教諭が今の職場をすぐ辞めるには、園が納得する退職理由を伝えることが近道です。また、勤務時間・給料・人間関係を改善する転職先としては以下のものがあります。
・別の幼稚園
・子どもと接する場所:企業内保育所、託児所
・異業種:事務、保険、コールセンター、子ども服販売など
自分が転職で重視するものは何かを見極め、転職エージェントを活用しつつ、数ある転職先の中から自分に合ったものを選びましょう。