「一度就職したけれど、やっぱり保育士になりたい。どうやったらなれる?」「保育士になるには資格は必要なの?」
未経験から保育士になりたいと思ってもわからないことだらけでしょう。
この記事では、保育士になる方法についてまとめています。未経験から保育士になるには資格が必要なのか、資格の取得方法や、未経験でも勤務できる保育園の見つけ方、転職時の履歴書の書き方のポイントを紹介しています。
現職の保育士の人が転職する時の注意点や履歴書のポイントについても紹介しているので参考にしてください。
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未経験から保育士になるには?資格は必要?
保育補助なら無資格でもOK
「保育士」として働くのなら「保育士資格」は必須です。しかし、「保育士」ではなく、「保育補助」で働くのなら無資格でも働くことは可能です。
保育補助の場合、あくまでも担任の補助的な業務にはなりますが、掃除や制作物の準備といった仕事や子どもたちと一緒に遊ぶなど仕事は山積みです。無資格のため、担任業務には付けませんが、子どもたちにとっては「先生」には変わりはないのでやりがいは感じられます。
ただし、待遇面は有資格者に比べて低くなりますし、将来的なキャリアや充実度を考えるなら、保育士資格は取得しておいた方が良いでしょう。
無資格の保育補助で働ける保育園
認可保育園で働くには保育士資格が必要
認可保育園で勤務するには、保育士資格は必須です。
保育士の資格があるなら担任を持つこともでき、キャリアアップにもつながります。主任や園長まで目指せるため、将来のキャリア設計も立てやすいです。
認可外なら無資格でもOK
無認可保育所(託児所や企業内保育所など)では、職員の1/3が保育士であればよいという規定に基づき、保育士の資格は持っていないけれど子育て経験はある、といった人材を活用しているケースが多いです。そのため、保育補助として子どもたちの保育に関わることができます。
ただし、保育士資格があれば、保育補助と異なり担任が持てることや資格の有無により給与に差あることなどを考えると、保育士資格はぜひ取得しておきたいものです。
保育士の資格を取る方法
保育系の大学を卒業する
保育士になる方法で一般的なのは、専門学校や短期大学、4年制大学で、保育士なるため学科を卒業する方法です。保育系の学校には、昼間学部以外にも、通信制の学部や夜間学部があるところもあります。
学校に入学することで、保育士として必要な知識や、ピアノや読み聞かせなどの実技を学びことができるため、卒業と同時に保育士の資格を取得することが可能です。
保育士試験に合格する
保育士になる方法としては、独学で勉強を行って「保育士試験に合格する」方法もあります。専門、短期大学、4年制大学の学歴があれば受験できるため、社会人や主婦の人でも受験可能です。
試験は筆記試験と実技試験になっており、合格者は受験者の2~3程度のため、難易度は高めなのが難点です。
保育士資格(国家資格)の取得方法と試験内容
・取得方法
①専門学校などの保育士養成施設を卒業
②自分で勉強(通信教育や独学)してから保育士資格を受ける
・試験内容
①筆記試験9科目
②実技試験
・言語・音楽・造形(絵画制作)のうち2科目を選択
・合格率:20~30%
保育士資格には年齢制限はない
試験を合格した後の保育士登録にも年齢制限はありません。
保育士に求められる資質
資格試験で問われるような知識はもちろんのこと、保育士は、高いスキルとコミュニケーション能力が求められる職業です。
子どもの大切な命を預かる重責を担うだけでなく、保護者との円滑なコミュニケーションを図ること、同僚や監督官庁と良好な関係を築くことも重要です。
同じ有資格者なら新しい情報で学んでいる人が有利
同じ有資格者でも、資格を持ちながら働いていない保育士を「潜在保育士」と言うこともありますが、慢性的な人不足で悩む保育業界は、潜在保育士の発掘にも力を入れています。
ただし、保育の常識や子どもを取り巻く環境は日々変化しています。潜在保育士と現役保育士、新卒保育士が、同時に入社試験を受けた場合は、新しい情報を得ている現役保育士や、新卒保育士の方が有利なのです。
資格証を確認してみよう
潜在保育士の方は、昔取得した資格証を今一度確認してみてください。「保母資格」となっていたら、申請をし直して「保育士資格」に切り替えておく必要があります。
切り替えにはしばらく時間がかかるので、働く意志がある潜在保育士は、予め手続きをしておくことをおすすめします。
未経験から保育士になるときの注意点
園見学は必ずやるべき
転職先として志望する園がどんな保育をしているか、職員同士の人間関係はどうなのか、気になるに人も多いでしょう。園の方針はこれから勤務していく上で共感できない内容では、気持ちよく働くことができませんし、職員同士の人間関係が複雑な園では、勤務自体が苦痛になってしまうため予め確認しておきたいところです。
保育園では、事前に園見学が可能なところも多いため、事前に園を見学し、気になる点を解決した上で応募しましょう。そうすることで、ミスマッチを防ぐことが可能です。
保育士未経験者の求人の見つけ方
保育士の求人は、ハローワーク、求人媒体、転職エージェント、保育園のホームページなどで見つけることができます。保育業界は慢性的な人手不足なので、一つの園が様々な媒体を利用して人材募集しています。
ただし、認可保育園については、自治体のホームページに掲載されているので、こまめにチェックしてください。
保育士専門の転職サイト・エージェントは基本的に有資格者を対象にしている
保育士の求人を探すのなら総合型の転職サイト・エージェントよりも、保育業界に特化した転職サイトやエージェントの方が求人数も多く、サービスも充実していることが多いです。よって、保育士の求人を探すのなら、保育業界に特化した転職サイトやエージェントの利用がおすすめです。
しかし、保育業界に特化した転職サイトやエージェントは、基本的に保育士経験のある有資格者を対象にしているケースが多く、無資格・未経験では応募できる求人に限りがあります。
保育士さんが認める保育士ワーカー
保育士ワーカーは、キャリアアドバイザーに元保育士の女性も在籍しており、悩みの共感をしてもらえ、相談しやすいと定評があるエージェントです。ブランクがある人や未経験の人に対しても積極的にサポートしてくれます。
全国に拠点があり、登録者の住まいに詳しいアドバイザーが担当してくれるため、希望する地域の詳しい情報を得ることができます。面談は保育バンクの拠点でも可能ですが、電話とメールでも完結できるため、現職を続けながらでも転職活動しやすいです。
業界の中でも取り扱い求人数が多く、保育ワーカーのみの非公開求人も多数取り扱っています。
全国の保育施設、関連施設の求人を多数取り扱っていて、全国10拠点の営業所で日本中の保育士さんの転職サポートを行っています。
※資格を保有している方のみご利用できます。
保育士に人気の転職サイトの評判やおすすめの転職サイト・転職エージェントのランキング、転職サイトを一覧で比較した表をまとめています。保育士からの転職、保育士への転職を考えている人は参考にしてください。
男性が保育士に転職するときの注意点
年収は低い、上がらないことを覚悟すること
30歳前後のサラリーマンの年収は350~400万円ですが、30代男性保育士の年収は300万円に満たない場合も多いのが現実です。
公立、認可保育園であれば給与面は地方公務員程度なので一般的な生活ができますが、それ以外の場合は給料が安い、なかなか昇給しない、といった問題があり、特に男性保育士は定着しづらいのです。
シビアですが、男性にとって保育士は勤め上げるには厳しい職種であるといえます。
保育士は離職率が高い
保育士は、責任が重い・仕事がキツイ割に賃金が低い、といった理由から離職率が高い職種に挙げられます。
また、圧倒的に女性が多い職場なので、男性が飛び込んでも人間関係がうまくいかなかったり、給与面で将来が不安になったりという理由で離職に至るケースが多くなっています。公立保育園では正規職員の新規採用は非常に少なく、非正規雇用が多くを占めているのが現実です。
40代、50代の将来のキャリアがどうなっているか想像できない
家庭があり子どももいる場合、低水準の給料では老後の生活が困難です。
また、会社員のようなキャリアアップは望めないため、昇給にも限界があります。将来のキャリアが想像できないため、続けること自体も難しくなるケースも多いです。
退職金や福利厚生なども手薄な場合が多いので、これから結婚を考える年齢なら、将来の生活設計がしづらいという問題に直面します。
保護者から警戒される
男性保育士は、ダイナミックな遊びや、体力の有り余る男の子の遊び相手としては活躍します。
しかし、その一方で、女の子のおむつ替えや着替えなどに対する拒絶反応があるのも現実です。保護者の中には、男性保育士に自分の子どもに触れてほしくないと思っている人もいるなど、デリケートな問題でもあります。
一度キャリア相談して冷静に考えるのがおすすめ
子どもが好き、保育の仕事に生きがいを感じるなど、保育の仕事を生涯の仕事にしたいと思っていても、そうできない現実もあります。大手総合転職エージェントなら、豊富なノウハウで将来に渡るキャリアプランの相談にも応じてくれます。
保育の仕事に関わりながらも、将来を見据えて安心して働ける職場を探してくれます。大手エージェントのキャリア相談を利用して、自分の将来について冷静に考えてみてください。
リクルートエージェント
リクルートエージェントは、転職成功実績ナンバーワンの転職エージェントです。総合型のエージェントのため、様々な業界の情報に精通しており、転職支援のノウハウも豊富なため、キャリア相談でも的確なアドバイスをもらえるでしょう。
転職の際は、応募書類の添削や面接指導なども手厚く行ってくれるため、初めての転職でも安心です。求人は一般向けに公開されている公開求人の他、独自に保有している非公開求人が約20万件もあり、希少価値の高い優良求人も多く含まれています。
未経験から保育士への転職、履歴書の書き方のポイント
志望動機のポイント
採用側が求めている人材であることをアピールすることが大切です。保育士としての信用に繋がるキャリアがない分、子ども好きなことをアピールすることで、安心して子どもを任せられる人材であることを印象づけます。
また、応募先の保育理念に共感していることを、自分の思いを織り交ぜながら盛り込むと、園の方針やニーズに合った人材であることを印象づけやすいです。
絵・工作・音楽が得意なら、保育士の仕事で役に立つ特技として、積極的にアピールします。絵・工作・音楽が得意でなければ、「スポーツが趣味で体力には自信がある」など、自分の趣味や特技がどのように活かせるかをアピールしましょう。
自己PRのポイント
未経験の場合は即戦力となる強みがないので、明るく素直であることが重視されます。積極的に学習し、ノウハウを習得できる素直さ・意欲をアピールしましょう。
育児経験などのエピソードを交えながら、子どもの世話が好き・得意であることをアピールするのも、適職と判断してもらいやすいです。
自分が子供を預けた経験がある場合は、それを自己PRに活かす方法もあります。「子供を保育園に預けていたときは安心して働くことができたので、今度は自分が働くお父さん・お母さんのサポートをしたい」などが良いでしょう。
保育士から違う園の保育士になるには
保育士から違う園の保育士へ転職する時の注意点
転職を考えている保育士の多くは、現在の職場に不満をもって転職を希望している人がほとんどです。そのため、新しい勤務先で同じ失敗を繰り返さないためには、求人を吟味して選ぶことが重要です。
待遇や条件を決める前には、ミスマッチを減らすためにも、園の方針や職場環境などを事前に確認しておくと良いです。
転職先の園の内情を知るには「園見学」に行く方法と「転職エージェントを利用して情報を得る」方法があります。
転職エージェントは保育業界に特化しているエージェントの方が、その業界に精通しているため詳しい内情を聞くことができます。
また、保育業界に特化したエージェントを利用する方が、求人数も多く、サービス面も充実してるのでおすすめです。
マイナビ保育士
マイナビ保育士は、転職大手のマイナビグループが手掛けている保育業界に特化した人材紹介サービスです。取り扱い求人数が多く、公開求人以外にも非公開求人の紹介も受けられます。
対応エリアが1都3県のみですが、首都圏の保育士求人にはもっとも強いです。求人検索条件は、規模や「乳児のみ」「男性OK」といったこだわり条件を細かく指定できるので、希望に合った求人を探しやすいです。
また、キャリアコンサルタントも各園の内部事情に精通しているので、希望に合った求人を提案してもらいやすいです。正社員だけでなく、パートなどの求人もあります。
保育士に人気の転職サイトの評判やおすすめの転職サイト・転職エージェントのランキング、転職サイトを一覧で比較した表をまとめています。保育士からの転職、保育士への転職を考えている人は参考にしてください。
現職保育士が転職するときの履歴書の書き方のポイント
志望動機のポイント
「なぜこの保育園を選んだのか」「採用するとどのように役に立ってくれるのか」を分かりやすく簡潔に伝えることが大切です。
「応募先の園のどこに魅力を感じたのか、他の園と差別化できていると感じるところ」などを具体的に書くことで、「園の仕事の内容や方針をよく理解した上で、働きたいと思っていること」が伝わります。
また、「これまでに培ったスキルや経験を、応募先でどのように活かせるか」も具体的に書くことで、自分が応募先の園に必要な存在であることをアピールできます。
なお、保育士から保育士への転職の場合は特に、志望動機と退職理由がセットになっていることが多いですが、退職理由はポジティブに表現することが大切です。
自己PRのポイント
「子どもが好き」という原点を、保育士経験者としての思いを織り交ぜながらアピールすると説得力や熱意を感じます。
「子供の成長を喜びたい」「安全面、健康面に気をつけたい」など、「子どもが好きだからこうしたい・こんなことに気をつけている」ということを具体的に書いていきましょう。
また、実務経験5年以上の保育士の場合は、マネジメント経験のアピールも大切です。
マネジメント経験のアピールは、「誰にどのような指導をしたか」「何人に指導したか(具体的な数値)」「その経験をどのように活かせるか」を書くと伝わりやすく、効果的です。
職歴のポイント
履歴書の職務経歴は、時系列順に、法人名を省略せずに書きます。少ないスペースの中で、一目で概要が分かるように書くことが大切です。会社名だけでなく、業務内容も簡潔に書き加えます。こうすることで、面接官がキャリアをイメージしやすくなります。
保育に関する仕事であれば、アルバイト経験もプラス評価になるので記入します。前の職場の規模が分かるように、従業員数や園児数も記入しましょう。
転職回数が多くても、正社員の職歴は正直にすべて記入します。後々、経歴詐称になって解雇されないために必要です。
また、転職がキャリアアップに繋がっていたことをアピールできれば、転職回数が多くてもマイナス評価にはなりません。
保育士の転職、受かる履歴書を作るコツ
第三者に読んでもらう
自分ひとりで書いたものだと、独りよがりな内容になっていることもあります。採用担当者に読ませる前に、第三者に読んでもらい、矛盾点など、おかしいところがないかチェックしてもらいましょう。
なお、自分の子どもの送り迎えがあるなど、どうしても譲れない条件は、本人希望記入欄に明記しておいた方がトラブルなく働けます。しかし、あまり条件が多すぎても「働く気がない人」と判断されてしまうので、最低限譲れない条件だけを記すようにしましょう。
希望条件が多すぎないか、逆に先に伝えておくべき条件を書き漏らしていないかも、自分の生活環境を知っている第三者にチェックしてもらうと安心です。
キャリアコンサルタントに添削してもらう
転職エージェントを利用して転職する場合、キャリアコンサルタントの添削を受けるのがもっともおすすめです。
キャリアコンサルタントは転職支援の専門家なので、プロの視点で添削してもらえます。自分ひとりで書いたものをそのまま応募するよりも、選考通過率も上がります。
まとめ
未経験であっても保育士になるには保育士資格が必須ですが、保育補助なら保育士資格がなくても働くことが可能です。ただし、保育補助は担任業務には付けず、待遇面でも劣ってしまうため、やりがいや将来的なキャリアを考えるなら保育士資格を取得した方が良いでしょう。
保育士試験を取得するには、保育士の養成課程を学べる学校を卒業するほか、独学で勉強し、保育士資格の試験を受ける方法があります。
未経験から保育士になる時には必ず園見学をしてから職場を決めましょう。そうすることでミスマッチを防げます。また、保育業界に特化したサイトやエージェントを利用することで、未経験でも勤務可能な保育園を見つけることができます。
保育士から違う園の保育士に転職する場合も、前の職場と同じ失敗を繰り返さないために求人は吟味して選ぶように心がけましょう。園の内情を知るためには、園見学の他、転職エージェントの利用がおすすめです。
この記事を参考に転職活動を成功させてくださいね。