転職をするにあたって、大抵の人が最初にぶつかる壁は「転職エージェントと転職サイトはどう違うのか」、「どちらを使うのがよいのか」の2つです。そこで今回は、両者の違い、それぞれのメリットとデメリットを比べてみましょう。

転職サイトはブラック企業が入り込みやすい!

時間がかかり、労力に効果が見合わないことも

たくさんの求人の中から、自分のペースで気軽に情報収集ができるのがメリットです。ですがその分、多くの企業の情報を自分で調べる必要があり、時間と労力がかかるのがデメリットです。応募の連絡から、面接日時の調整、条件の交渉も自分でしなければなりません。勤務を続けながら、複数の企業に対してこれらを全て自分で行うのは至難の業です。

もう一つ難しい問題があります。それは「自分の能力、知識、経験を客観的に適正に認識できているか?」と言う問題です。自分自身の能力を正確に判断することは大変難しく、20代、30代の経験の少ない若い人であればなおさらです。
そして面接を受けてみるまで採用されるかわからず、時間と労力が無駄になる可能性もあります。

人材使い捨て型ブラック企業が入り込みやすい

また、転職エージェントに比べると、企業側の費用負担が少なめになっており、1件の求人を出す際にかかる広告費の相場は50万円程度。採用した人材が合わなかったり、すぐに辞めてしまったとしても、ダメージの少ない金額です。

つまり、採用した後に長く働いてもらう気が無く、次々に人材を使い捨てる企業も、くり返し求人を出して人材を補充することが可能な金額です。極端に言えば、とりあえず30人採用して1人残ればよい、と言う考え方の企業に当たる可能性もあり、そうなればまた次の転職先を探す羽目になり、先が見えません。

もっとも、求人の頻度が高い企業が全てブラック企業かと言うと、そうとも言い切れません。急成長中で、どんどん新しい人材を増やす必要がある企業もあるからです。実際に、まだまだ部分的にではありますが、オリンピック・災害復興関連効果で業績が伸びている企業も存在します。

ですが求人を出している企業が急成長中で将来性のある企業なのか、そうでないのかを正確に見極めるのは素人には難しく、よほど経済界に明るいか、応募先の企業に知り合いがいるなど、内部事情に詳しい場合を除いては、運の要素が強くなります

転職エージェントはブラック企業にとってのうまみがない

求人の質が違う

一方、転職エージェントは、転職サイトとは企業側の負担費用が大きく異なります。採用時に、応募者の見込み年収の1/3〜半額程度を支払うのが一般的になっており、その費用は100万円〜400万円程度。
そのため、人材使い捨て型のブラック企業が入り込みにくくなっています。また、それだけの費用をかけるのですから企業側も、本当に求める人材を採用し、長く働いてもらいたい思惑があります。

さらに費用の違いから、転職サイトに比べると資本金に余裕のある企業が多くなり、その点でも優良企業の割合が高くなります。安定した企業で長く働くなら、転職エージェントが優れていることがわかりますね。

非公開求人の存在も、転職サイトには無いメリットです。非公開求人と言うのは、「求める人材だけに応募してほしい」、「新規事業に絡む求人で、ライバル会社などに内密に行いたい」、「希望退職者を募りながら、新たに質の高い人材が欲しい」など、企業側の思惑があり、求人していることを公に出来ない求人です。

こう言った情報は内部に精通している知人でもいない限り、転職エージェントでなければ、まず手に入りません。

サポートが違う

転職エージェントに登録すると、転職支援のプロによるキャリアカウンセリングを受けられます。ここでその人の持つ武器や弱点が明確になるため、自己判断による過大評価・過小評価で、採用される見込みのない企業に応募したり、能力に対して条件の低すぎる企業に応募する危険がなくなります。転職支援のプロに面倒を見てもらえることは、転職エージェントを利用する最大のメリットです。

転職エージェントではキャリアカウンセリングで得た情報をもとに、その人の知識や能力、経験を客観的に判断し、その人に合った仕事を紹介してもらえるため、多くの時間を費やして大量の求人情報に目を通す手間が省けます。勤務を続けながら転職活動を行っている人にとって、これは大きなメリットです。

企業の方も、エージェントから応募者の情報を得た上で面接を行いますので、転職サイトからの応募よりも打率が高くなり、無駄が少なくなります。

転職エージェントでは、応募の際に必要な書類の添削や面接対策も受けられますし、面接などのスケジュール調整の代行も行ってくれます。また、条件の交渉も代行してくれますので、直接言いにくいことや訊きにくいことも確認しやすくなります。

転職エージェントは企業側の内情にも詳しく、どのような点を重視するかなど人事担当者に直接確認することが出来るのも大きなメリットです。

このように、少ない時間と労力で効率的に転職をするには、転職エージェントを利用するのが安全で確実です。自分の能力を把握する上でも、まずはキャリアカウンセリングを受けてみるとよいでしょう。

転職サイトやエージェントは使うべき?使わないリスクとは

転職を考えている人の中には、「転職サイトや転職エージェントを使うべきか?」、「使うならどちらを使うのがよいのか?」と悩む人も多いでしょう。そこで転職サイトと転職エージェントのそれぞれのメリット・デメリット、使わない場合のリスクについて述べましょう。

転職サイトのメリット・デメリット

転職サイトのメリット

転職サイトのメリットは、求人数が多く、自分のペースで多くの情報に触れられ、誰でも応募できることです。応募資格などの要件を満たしていない場合も、何か特筆すべきアピールポイントがあれば、それを伝えて売り込むことができます。

応募先企業の採用担当者と直接やり取りすることができますし、画像や動画など、さまざまなコンテンツを通して会社の雰囲気を掴むこともできるため、自分に合いそうかどうかを感覚的に判断することができるのも大きなメリットです。

転職エージェントに比べると企業の負担費用が低い分、転職エージェントより選考ハードルが下がる場合もあります

転職サイトのデメリット

応募から採用まで、スケジュール調整などすべて自分で行うため、時間と手間がかかります。特に、勤務を続けながら転職活動をする人には大きな負担になります。また、企業についての情報はサイトに記載されている範囲のことしか分からないため、思っていたのと雰囲気が違った、実際の条件が違った、と言うこともよく起こります。

不特定の人が応募できる媒体のため、採用担当者によっては「転職サイト経由の応募者=質が低い」と認識している場合もあります。そして面接対策などきめ細かいサポートを受けられる転職エージェント経由の応募者に比べると情報弱者になりやすい、と言うデメリットもあります。

また、採用不採用の理由を知らされないことも、長期的に見ると大きなデメリットになります。どこを評価されて採用されたのか、何が理由で不採用になったのかを知る事ができれば企業のニーズがわかりますし、今後どのようなスキルを身に付ければよいのかを知る事ができますが、転職サイト経由でそれを知らされることはほとんどありません。

転職エージェントのメリット・デメリット

転職エージェントのメリット

まず特筆すべきメリットは、転職支援のプロの助力を得られる点です。そのサポートはきめ細かく、本人のスキルや能力、経験を客観的に判断した上で、その人に合う企業を紹介、必要書類の添削、面接対策、相手企業とのスケジュールの調整の代行から、条件交渉の代行まで請け負ってくれます。これは勤務を続けながら転職活動を行う人や、遠隔地への転職を希望する人にとって大きなメリットです。

また、転職の際は複数社と並行して面接を行うケースが多くなります。そして内定が出る時は回答期限を設けられるケースが多く、第一志望の企業の面接より前に、第二志望の企業へ内定の回答をしなければならない、と言う事態もよく起こります。

自力で応募する場合、確実に採用してもらえる第二志望の企業に入社の意思を伝えるか、内定を辞退し、第一志望の面接に賭けるか、と言うことになりますが、転職エージェントは企業ごとの選考スピードなども把握しているので、応募者の希望優先順位などを考慮しながら、なるべく全社の選考が終わってから、各社を相対比較し、応募者が納得した上で決定できるよう段取りします。

転職エージェントのデメリット

多くのサポートをしてもらえる分、転職が成功するか否かのほとんどが担当のキャリアアドバイザーに左右されてしまうことが最大のデメリットです。キャリアアドバイザーの職務能力もありますが、自分との相性の問題もあります。

これについては大体の転職エージェントで担当者の変更が可能になっていますので、合わないと思ったら変更を申し出ましょう。言い出しにくいことではありますが、能力を発揮できないまま担当を続けるキャリアアドバイザーにとっても、その方が幸せです。

担当キャリアアドバイザーも仕事とは言え人間ですから、気持ちよく働いてもらえるよう、感じよく応対することを心掛けておくことも転職を成功させるポイントです。

また、転職エージェントは大抵が、採用時に企業が費用を支払うシステムになっているため、自分と同程度の人材が媒体経由せず、直接応募してきた場合は不利になります。

転職サイトや転職エージェントを使わないと危ない?

一番のリスクは、応募書類が担当者の手に渡るかどうかが不確実な点です。企業にとって、採用は転職サイトなり、転職エージェントなり、何らかの媒体を通して行うのが通常なので、直接応募などだと肝心の応募書類を見てもらえない可能性が出てきます。

また、求人情報誌や新聞広告などもありますが、連絡手段が電話になるため、連絡できるタイミングが限られます。そのため、インターネット媒体での求人を好む企業が増えています。

どちらを使うにもキャリアカウンセリングは受けておくとよい

ここまで読まれて、転職サイトか転職エージェントを使う方がよいと解っていただけたと思います。どちらを使うにしても、まずは自分の能力を的確に認識し、企業のニーズを知ることが転職活動のスタートです。そのために、一度転職エージェントでキャリアカウンセリングを受けてみることをおすすめします。

転職サイトやエージェントは複数併用すべき理由とは

転職を成功させる秘訣の一つは、複数の転職サイトや転職エージェントを併用することです。複数を併用するメリットと、一つの転職サイトや転職エージェントのみを利用するデメリットを述べてみたいと思います。

1つしか利用しないデメリットとは何か?

全ての企業が、全ての転職サイト、全ての転職エージェントに求人を出すわけではありません。転職サイトごと、転職エージェントごとに取り扱う求人が違い、複数を併用するのに比べ情報量が少なくなるデメリットがあります。
同じ転職サイトでもそれぞれ特色が違い、独占求人、つまり他の転職サイトには掲載されていない求人に強い転職サイトや、転職エージェントの求人を一部掲載している転職サイトなどが存在します。

転職エージェントも、独占優良求人の多いエージェント、世界的な実績があり、豊富な求人情報を保有する外資系エージェントなど、得意な求人が違います。

また、転職エージェントはキャリアアドバイザーと呼ばれる専任の担当者が付き、求人の紹介からスケジュール調整、条件交渉までさまざまなサポートをしてくれるシステムになっています。就職支援のプロであるキャリアアドバイザーは非常に頼もしい存在である反面、転職の成功が担当者に賭かってくる部分が大きく、応募者とキャリアアドバイザーの相性も大変重要になります。

自分と合わない担当者に当たると多大なストレスになりますし、肝心の転職の可否まで左右することになりかねません。利用エージェントが一つであればなおさらです。

サイトやエージェントを複数併用するメリットは?

転職サイトや転職エージェントは、サイトごと、エージェントごとに得意分野が違います。また、この一つで完璧、と言う転職サイト、転職エージェントも残念ながら存在しません。

そこで複数の転職サイト、転職エージェントを併用することでそれぞれの強みを活用することができ、また、それぞれの弱点を他のサイトやエージェントで補う事ができるようになるのです。

あるサイトやエージェントで募集が終わった求人も、他のサイト、エージェントではまだ募集していたり、同じ企業でも募集している部署や条件が違っていることもあります。さらに、サイトやエージェントによって企業との繋がりの深さが違うため、同じ求人でも利用するサイトやエージェントによって条件が違ってくる場合があります。

これは転職エージェントを通して条件交渉をする時にも影響します。エージェントAでは無理だった交渉が、優秀な人材を多く紹介した実績があり、相手企業からの信頼が厚いエージェントBでは通ることがあるのです。

また、エージェントごとに、持っている企業の情報が違います。そのため、複数のエージェントから情報を集めることで、応募する企業の情報がより詳しく、より正確にわかります。あるエージェントから気になる求人を紹介された時は、別のエージェントにもその求人を扱っていないか尋ねてみましょう。そのエージェントで公開されていなくても情報を持っている場合がありますし、紹介エージェントが持っていない企業情報を持っている場合もあります。

キャリアアドバイザーごとにコミュニケーションスキルも違います。ですが、どのようなキャリアアドバイザーが合うのかは、人それぞれ求める雰囲気やペース、どこまで干渉してほしいかなどが違いますので、口コミや比較サイトを見ても、実際に登録してやり取りしてみないとわかりません。複数のエージェントを併用することで、自分に合う担当者に出会える確率が高くなります

特に転職エージェントは転職支援サービスの内容も重要になります。複数の転職エージェントに登録することで、サービスの内容を比較し、より自分のニーズに合うエージェントを見付けることが可能です。

また、転職エージェントを複数併用する、もう一つの大きなメリットがあります。転職エージェントでは最初にキャリアカウンセリングを受けますが、複数登録し、違うキャリアアドバイザーと話をすることで、より客観的に自分の能力や知識、経験などを判断することができ、企業の自分に対するニーズも見えやすくなります。
これは目前の転職のことだけでなく、先々、自分がどのようなスキルを身に付ければよいのかも見えてきますので、長期に渡って役立つ情報となります。

エージェントも併用していることは承知の上

転職のノウハウを記した書籍やサイトでは併用することが成功の前提となっていますし、転職エージェント側も利用者が併用することは想定・承知していますので引け目を感じる必要はありません。

ですが相手も人間ですし、先々お世話になることもあるかもしれません。もし、他のサイトやエージェントで転職が決まり、紹介を断る場合には「申し訳ありません」、「お世話になりました」、「有り難うございました」と言った言葉を添えるようにするとよいでしょう。

転職成功者の多くが、複数を併用している

転職に成功した人を見ると、転職サイトとエージェントを併用しているケースが多く見られます。それも転職サイト3つと転職エージェント3つに登録、と言った具合です。

また、転職サイトと転職エージェントを併用すれば、転職サイトで全体の求人の傾向を把握してから、エージェントで具体的に相談する、逆にエージェントで自分の能力を見極めてから、サイトで自分にニーズのある企業を見付ける、と言った事が可能になります。

いずれにしても転職活動をスタートする前に、転職サイトと転職エージェント、それぞれ2つ以上に登録しておくのがおすすめです。

併用におすすめの転職エージェント

メインで活用する、リクルートエージェント

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リクルートエージェントと業種に特化した転職エージェントを併用するのがおすすめです。

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